看護師を目指すあなたに。看護師になるために必要な科目とは?
看護師になるためには、中学もしくは高校卒業後、法律で定められた養成教育機関で3年以上勉強し、国家試験の受験資格を取得した上で看護師国家試験に合格する必要があります。
養成教育機関には、看護専門学校・看護短大・看護大学(看護系大学)・高等看護学校があり、その入学試験の必須科目は学校や受験方法(一般入試・推薦入試)などによっても異なりますが、一般入試の場合は筆記試験(国語・数学・英語・理科などの選択)と小論文、面接などが一般的です。また身体検査などがある場合もあります。 それぞれの学校の入試要項などを確認して、事前に入試対策をすることが大切です。
どの教育機関を選ぶにしても看護師になるための専門的な勉強についていくためには基礎学力は必要です。特に人体に関わる事が多いので、生物や化学などはしっかり勉強しておきましょう。
看護師国家試験の受験資格を取る方法
高校卒業後看護師免許を取る場合のコース
高校卒業→看護師学校・養成所(3年)卒業
高校卒業→看護短大(3年)卒業
高校卒業→統合カリキュラム指定養成施設(3年)(※修業年限4年)卒業
高校卒業→看護大学(看護系大学)卒業(4年)
中学卒業後看護師免許を取る場合のコース
中学卒業(または高校卒業)→准看護師学校・養成所(修業年限2年)卒業(准看護師試験受験資格取得) →准看護師試験合格(免許取得)→(中卒の場合/実務経験3年以上)→看護師学校・養成所(2年)or※高校専攻科or看護短大(2年)卒業 高校衛生看護科卒業(准看護師試験受験資格取得)→准看護師試験合格(免許取得)→※高校専攻科または看護短大(2年)or看護師学校・養成所(2年)卒業
※高校専攻科・看護短大(2年)は高卒准看護師に限る
看護師になるためにどんな勉強をするの?
では、看護師になるために看護師養成の教育機関では実際にどんな勉強をするのでしょう。 看護についての様々な勉強はもちろんですが、まず人との関わりについて学ぶことが大切です。看護師の仕事は患者の病気やケガの処置をするだけでなく患者とその家族の精神的なケアも必要ですし、医師や同僚と連携しなければなりません。他の職種以上に様々な人間関係を円滑にすることが大事な仕事です。そのために、看護の基本となる考え方・看護師としての役割や必要な態度などについて人との関わりをベースに学ぶ必要があります。
看護学校で学必須科目
看護学は、基礎分野・専門基礎分野・専門分野の3つの分野に分かれます。また、学科だけではなく実習もあります。(科目の名称は各学校により異なります。)
- 基礎分野(13単位)
専門基礎分野と専門分野の基礎となる一般教養を高めるための分野です。科学的思考や自由で主体的な判断と行動を促すなど、人間を幅広く理解するための基礎を身につけるのが目的です。 (科目例)人文科学・社会科学・自然科学・情報科学・教育学・外国語・保健体育・芸術など - 専門基礎分野(21単位)
人体の心身の構造と機能について科学的に理解するための分野です。また医療制度の仕組みや病気に関する観察力・判断力を養うための学習を行います。 (科目例)解剖生理学・病理学・薬理学・栄養学医療社会学・社会福祉学・公衆衛生学・関係法規・医療倫理・医療問題など - 専門分野Ⅰ(13単位 実習3単位を含む)
看護の基本となる考え方を追求する科目や、対人関係能力を養成する科目、倫理的判断ができるような科目など、看護の基礎的な理論と技術を学びます。 (科目例)基礎看護学 - 専門分野Ⅱ(34単位 実習16単位を含む)
看護の専門科目です。子どもから高齢者まで看護の対象となる幅広い年齢層の人たちに対して、それぞれの看護理論と技術を講義と実習を通して専門的に学びます。 (科目例)小児看護学・成人看護学・老年看護学・母性看護学・精神看護学など - 統合分野(12単位 実習4単位を含む)
基礎分野から専門分野Ⅱまでに学習した内容を卒業後に医療の現場でスムーズに適応できるように、優先順位を考えた看護実践能力をつけるために学びます。 (科目例)在宅看護学・看護の統合と実践など - 看護実習
3年間で学ぶ科目の93単位中看護実習は23単位となっており、机の上での勉強だけではなく現場での実習を経験し、そこから看護の実際や考え方を学ぶのです。 学校によって多少違いはありますが、世間一般で行われる看護実習は校内での基礎実習があります。採血や注射・食事介助・体位交換・入浴介助・清拭・排泄介助などを実習します。 校内実習の次は病院・特別養護老人ホーム・保育所等で、患者さんについて臨床実習があります。各科目での実習があり、手術室での実習等も経験します。
なお、看護大学(看護系大学)及び看護専門学校での『保健師・看護師統合カリキュラム(4年制)』の場合、保健師・看護師の2つの資格を取ることができます。看護師と保健師の学習をリンクさせることによって保健師教育のカリキュラムより3単位少なくなります。
看護師教育の特徴は実践において学ぶことであり、カリキュラムの約3分の1が実習です。日々進化している高度な医療現場に適応するためには、必須科目をしっかりと学び、基礎的な技術と知識を完璧に身につける事が必要なのです。