どんな看護師さんが望まれる?患者さんが看護師に求めていること
看護の現場は多忙で過酷です。思い描く理想の看護師像と現実とのギャップに悩み、「自分が看護師に向いていないのでは?」と思い悩んでいる現役看護師や看護師を目指す中で「自分に適性があるのか?」と不安を感じている看護学生も多いのです。
看護師に必要とされる基本的な4つの要素
医療現場で求められる看護師像は、「優しさ」「思いやり」など相手を思いやる気持ちを持つ豊かな人間性・幅広い専門的な知識・熟練した技術をあわせ持って、患者やその家族に「安心と安全」を与えられる実践力があることで、 精神的にも肉体的にも非常に高いものが要求されているのです。 看護師に必要とされる能力はたくさんありますが、基本的な要素としては『相手に対する共感力』『観察力』『タフな精神力』『向上心』が挙げられます。
相手に対する共感力
患者さんやその家族など看護師が向きあう相手は病気やケガなどの問題を抱えて不安だったりつらい思いをしたりしている事が多く、それらの状態や気持ちを思いやり、理解し、共感できることが何より大切です。患者さんだけでなく、医師・同僚・他の医療関係者など、関係する相手と真面目に向き合い、相手が発するメッセージを受け取ってフィードバックするコミュニケーション能力は看護師としての必要なスキルです。
観察力
患者さんの身体面・精神面における状態や微妙な変化を敏感に察知し、対処するのも看護師の役割です。患者さんや家族に対する観察力も要求されます。
タフな精神力・体力
不規則な勤務時間・少ない休日という環境下で働いていると心身共に疲れもたまりますし、ささいなミスを起こしてしまうこともあります。 上司や先輩に注意されることも多いでしょう。時には患者さんやその家族から冷たくされることがありかもしれません。しかし、それらにめげないで真摯に受け止め、失敗を二度と繰り返さない・今後どう生かすかを学ぶ姿勢で前向きに考えることが看護師として望ましい姿です。 また、担当していた患者さんの臨終に立ち合うこともあります。そのような場合でも悲しみをこらえて他の患者さんには明るく接し普通に仕事をしなければなりません。看護の現場は想像以上にタフな精神力や体力が必要とされるのです。
向上心
日々高度化し複雑化する医療現場において、より良い看護を提供できるように、常に向上心を持って学ぶ姿勢を持ち続ける事が重要です。
患者さんが求めている看護師さんは?
実際の患者さんはどういう看護師を求めているのでしょうか。
優しく穏やかな雰囲気
患者さんに「看護師に望むこと」を尋ねると、多くの人は「優しさ」と答えます。看護師さんの「優しさ」とは明るい笑顔・穏やかな口調・細かなことへの気遣い・丁寧な処置などです。 患者さんは、どんな時でも看護師さんが落ち着いていると安心しますし、優しく対応してもらうと落ち込んだ気分が元気になるものです。
看護技術・知識が高い
忙しいスケジュールの中でも、できるだけ予定の時間に処置・援助を行い、それらの処置(傷の処置・点滴の交換・採血など)が正確である事、患者さんやその家族からの質問や相談に対して的確に対応するなど、看護技術が高く、幅広い医療知識を持っていることも患者さんにとっては心強いものです。
患者さんの尊厳を守る
動作が思うようにならない患者さんや高齢者などに対し、子ども扱いしたり見下した様な対応をしたり、また、出来ない事を責めたりすることは、患者さんのやる気や尊厳を損なう行為です。検査や治療の時に患者さんの精神的な負担を軽減するような配慮をするなど、言動や行動に注意し、誰に対しても丁寧な対応をすることで患者さんの 闘病への意欲も高まっていくのです。
患者さんは年代・性別・症状もそれぞれ違い看護師に求めるものも異なります。それぞれにあった看護の提供が必要です。 目の前にいる患者さんがどんな問題を抱え、どうすれば力になれるかをその都度考えることが大切ですし、看護師に求められる水準も年々高くなり、看護職は心身共に大変な仕事です。 しかし、患者さんが回復して笑顔が多くなってきたり、患者さんやその家族から感謝の言葉をかけられたりするのは、看護職ならではの大きな喜びです。 患者さんが求める理想の看護師になることはとても難しいことですが、適性や仕事に迷った時には、「人と接する仕事 という観点で、もう一度看護の仕事を見つめ直す事が大切です。