新看護基準とは!? 看護師不足を解消するための国の対策を知る!
これから本格的な高齢化社会を迎えようとしている日本では、看護師不足が深刻な問題になっています。
小さいころ、女の子なら一度は憧れたことのある職業でありながら、なぜ今我が国は看護師が不足する事態に陥ってしまっているのか。
看護師が不足する原因となっているものは何なのか、それに対して国は何らかの対策を講じているのか、私たちは知っておく必要があるのではないでしょうか。
離職率の高さが問題点
国家試験の受験率を見て分かるように、看護師になろうとしている人が減ってきているわけではありません。
問題なのは、一度看護師になった人たちが仕事を辞めてしまうパターンが多いことです。
看護師は特に女性に多い職業ですから、出産を機に職場を離れ、そのまま離職してしまう人が急増しています。
確かに看護師は、一昔前までは「汚い・きつい・給料が安い」の「3K」の職業と言われていました。
現在はこれに加えて、「危険・休暇が取れない・規則が厳しい」などの「K」が増え、子育てとの両立が難しい仕事だと誰もが思っています。
看護師の不足から更なる看護師の負担が増え、残業や休日出勤をしなければ回らなくなる現場を見ている彼女たちが、「出産を機に離職しよう」と思うのは無理のないことなのかもしれません。
現在、看護師の資格を持ちながら仕事をしていない人は全国に60万人以上いると言われていることからも、いかにこの仕事の離職率が高いかがお分かりいただけると思います。
対策としての「新看護基準」
看護師不足がこれほどまで深刻化しているにも関わらず、国が行っている対策にはまだ具体的なものがないのが現状です。
敷いて挙げられるものと言えば、「新看護基準」というものが定められたこと。
これは「患者7人に対して看護師が一人担当する」という基準のもとで、それが達成できている病院に対しては通常よりも高い診療報酬が支払われる、というメリットがあります。
支払われる診療報酬によって看護師の増員を図り、看護師不足による医療やサービスの質の低下を防ごうをしている病院にとっては、ありがたい対策と言えるでしょう。
「新看護基準」の問題点
しかし、この新看護基準には問題点があり、中にはそれによって更なる看護師不足を招いてしまう結果になっている病院があることも間違えありません。
その問題点とは、この基準で言う「看護師」が「正看護師」であること。
准看護師や看護助手は看護師として計上されないため、結果として病院同士で正看護師を奪い合う問題が生じてしまったのです。
新看護基準を満たすためには正看護師の確保が必要でありながら、その奪い合いに負けてしまった病院では、結局人材不足でこの基準を達成することが出来ません。
多くの病院で正看護師が不足している現状では、まだまだこの問題を解決することは困難、というわけです。
まとめ
看護師不足について知りたいのであれば、
- 問題点は離職率の高さであること
- 対策としての「新看護基準」が定められていること
- 「新看護基準」には問題があること
この3つについて、詳しくなる必要があります。
日本の医療現場では医師不足も問題になっているのが現状です。
国民が安心して医療を受けられる状況になるように、さらなる国の対策が求められます。