看護師のメンタルヘルスどう守る? 3つのポイントをご紹介します!
病院で医師のサポートや患者さんのお世話をする看護師。それは私たちが健康に生活する為にとても大切な職業です。
しかしながら、その仕事は体力と精神力を使うとてもハードなものなので、看護師になっても仕事に付いていくことができずに離職していく看護師や、精神的に追い詰められうつ病になってしまう看護師が増えていると言われています。
このような事態を食い止める為には、病院内で看護師のメンタルヘルスケアをしっかり行うことが大切なのです。
過酷な労働環境にある看護師のメンタルヘルスケア。具体的にどのような取り組みがされているのでしょうか?
そこでこの記事では、看護師のメンタルヘルスケアに関する現状や具体的な対策内容についてご紹介します。
まだまだ課題がたくさんある看護師のメンタルヘルスケアについて知るために、是非お役立てください。
1. 看護師のメンタルヘルス。その現状とは?
過酷な看護師の仕事を続ける為にメンタルヘルスケアはとても大切ですが、看護師のメンタルヘルスケアを積極的に行っている病院は少ないと言われています。
では、看護師のメンタルヘルスに関する現状について3つの点をご紹介しましょう。
1-1. メンタルヘルスが原因で長期病気休暇する看護師が多い
2011年に日本看護協会から発表された「病院看護実態調査」によると、1ヶ月以上の長期病気休暇を取得した看護師の3分の1がメンタルヘルスの不調だったと報告されています。
別の資料では、2011年度にメンタルヘルス不調が原因で仕事ができなくなった看護師は推定7000人だったと報告されていました。
このことから、非常に大勢の看護師がメンタルヘルスの不調に悩まされているということが分かりますよね。
大勢の看護師が長期休暇を取るとそれ以外の看護師にかかる負担が増える為、それらの看護師たちもメンタルヘルスの不調を抱える可能性があるでしょう。
病院内で看護師のメンタルヘルスケアがしっかりできていないと、このような悪循環に陥いる可能性があるのです。
1-2. 看護師組織内の人間関係が上手くいかない
看護師は病院の中でチームとして働く必要がありますが、そのチーム内の人間関係で問題を抱える看護師が非常に多いと言われています。
- 他の看護師から無視される
- 連絡事項を自分だけ教えてもらえない
- 私物を隠される
- 上司に相談しても相手にされない
このような悩みがたくさんあると、精神的なストレスが蓄積してうつ病や精神疾患になってしまうかもしれませんね。
だからこそ、病院内のメンタルヘルスケア環境を整えることが大切なのです。
1-3. 患者さんやその家族との関係が上手くいかない
最近では患者さんやその家族が看護師に対して執拗な要求をすることが多くなっていると言われています。
このような難しい状況に対応する能力が身に付いていない看護師が、
- 患者さんの家族から脅される
- 患者さんに暴力を振るわれそうになる
という理由でメンタルヘルスに問題を抱え、看護師を続けられなくなってしまうことがあるのです。
1-4. 技術的な不安
看護師の扱う機材や薬剤は非常にたくさんあります。そのため多くの看護師が「薬を間違えたらどうしよう…」「集中力が切れてしまったらどうしよう…」という不安を抱えながら業務を行っているのです。
過酷な業務で十分休息が取れていないとその不安はますます大きくなることでしょう。これも、多くの看護師がメンタルヘルスに問題を抱える原因だと言われています。
2. 悪化する看護師のメンタルヘルス…どんな対策がとられているの?
残念ながら看護師を取り巻く環境は徐々に悪化しつつあります。今以上に看護師の精神的負担が蓄積されると仕事をやめてしまう看護師が更に増え続けることでしょう。
この状況に歯止めをかけるため、日本看護師協会では看護師のメンタルヘルスケアについて対策案を打ち出しています。
では、看護師のメンタルヘルスケアをするために行われている対策方法を3つご紹介しましょう。
2-1. 心の病気を抱えた看護師を早く見つける
メンタルの病気は悪化すればするほど治療が難しくなりますよね。
ですから、メンタルヘルスに問題を抱えた看護師をなるべく早く発見することが大切なのです。
日本看護協会では、病院内でメンタルヘルスに問題を抱えた看護師の早期発見・早期治療・看護師が職場復帰した時の適切な対応や、過剰なストレスを避けるための適切な雇用管理、看護師自身が自分のメンタルヘルスに注意する方法等についてアドバイスしています。
2-2. 職場内の問題点を正しく見極めてその解決策を探す
看護師のメンタルヘルスを守るためには職場内にある問題点を正しく見つけて解決することが大切です。
看護師組織の中にある問題を長期間そのままにしておくなら看護師のメンタルヘルスに不調が起きる確率は高くなることでしょう。
日本看護師協会では、職場内の安全衛生委員会によって職場内の問題点をしっかり見極めるように指導しています。
2-3. 改善計画の立案・実施・評価
看護師のメンタルヘルスケアを正しく実施するためには、問題点を見つけるだけでは不十分です。問題を見つけたなら、それを解決する方法を考えなければなりません。
日本看護師協会では病院に対して看護師のメンタルヘルスケアをするための具体的な計画の立案と、その継続的な実施・実施後の計画評価や見直しをすることを指導していますよ。
3. メンタルヘルスケアを適切に行なう為に知っておきたい留意事項
メンタルヘルスの不調は誰にでも起きる可能性がある問題ですよね。
それにも関わらず、病院内でのメンタルヘルスに関する理解は少ないと言われています。
看護師のメンタルヘルスケアをしっかり行うためには、病院全体でメンタルヘルスに対する理解を深める必要があるでしょう。では、そのために必要な留意事項を3つご紹介します。
3-1. メンタルヘルスに関する偏見を取り除く
メンタルヘルスの不調は、他の人から分からない場合もあるでしょう。
- やる気が無い
- 気合が足りない
- 集中力が足りない
という問題で片付けられてしまうことがあるかもしれません。
メンタルヘルスに関する理解が少ないと、メンタルに問題を抱えた看護師の体調は更に悪化してしまうことでしょう。ですから、看護師組織全体・病院全体が看護師のメンタルヘルスに関して正しく理解する必要があるのです。
3-2. メンタルヘルスに影響しかねない人事異動に注意
看護師の人事異動はメンタルヘルスに大きな影響を与えると言われています。
看護師としての経験が少ないのに高い技術が要求される部署へ配置されれば、プレッシャーの中で強いストレスを抱えるようになり、メンタルヘルスに不調を抱える可能性も高くなるでしょう。
看護師の人事を決める際には、看護師の能力に応じた配置を考える必要があるのです。
3-3. 看護師ひとりひとりの意見を尊重する
看護師のメンタルヘルスケアをする為には、看護師ひとりひとりの意見を尊重することも大切です。
そのため病院では、看護師の健康状態・心の状態・家庭内の状態を踏まえた人事を行なう必要があります。
看護師がやりがいと自信を持って仕事を行える環境を作り出すことが、看護師のメンタルヘルスケアを正しく行なう為に役立つのです。
まとめ:看護師のメンタルヘルスケアをする為には?
この記事では、看護師のメンタルヘルスケアについて3つのポイントをご紹介しました。看護師の仕事は非常に過酷なものですが、その職務につく看護師のメンタルヘルスケアにはまだたくさんの課題があります。
- 問題点を早く見つけて具体的な解決策の立案・実施・評価をする
- 看護師ひとりひとりがメンタルヘルスに対する理解を深める
- 事業者は看護師ひとりひとりを尊重する
看護師の離職を防ぐ為には、病院が一丸となってこの課題に取り組む必要があるのです。
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