看護研究とは?

看護研究とは? よりよい進め方やテーマの決め方をご紹介します!

元看護師のゆかり

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「看護研究」とは聞きなれない名前ですが、よりよい看護を実践したり、看護の質を高めるための大切なものです。臨床現場だけでなく、看護教育の一環として看護学校の授業としても行われています。しかし、看護研究を行うたびにテーマの決め方や論文の書き方に悩んでしまう、という方は少なくないでしょう。

そこで今回は、よりよい看護研究の進め方についてご紹介します。看護師や看護学生の方だけでなく、将来は看護師を目指したいという方もせひ読んでみてくださいね。

  1. 看護研究の意義や役割は?
  2. 看護研究の進め方は?
  3. 論文として発表する場合は?

1.看護研究の意義や役割は?

この項では、看護研究の意義や役割をご紹介していきます。なぜ、看護研究を行うのか、が理解できれば、テーマの決め方や論文の選び方もよりスムーズに行えるようになるでしょう。

1-1.提唱はナイチンゲール

近代看護の基礎を築いたフローレンス・ナイチンゲールは「看護という言葉に対する共通理解から看護学を始めなければならない」と説いています。看護研究とはまさに、看護に対する共通理解を作るために行われているのです。

「看護」というのは、本来患者ひとりひとりの状態に合わせて行われるものです。しかし、臨床の現場ではチームで看護が行われるために、行動方針を一致させる必要もあるでしょう。看護研究を行うことにより、よりよい看護を実践できるようになるとともに、看護師全体の質を高めることができるのです。

1-2.知識を共有することのメリット

チームの意志し、看護方針をきめるだけならばカンファレンスで十分ではないか、と思う方もいるでしょう。しかし、カンファレンスで話し合われたことは公式な記録として残りません。つまり、同じような看護の仕方が必要な患者が出てきた場合、何度でも同じ話し合いを繰り返さなければならないのです。

研究として行い、論文を残しておけばより多くの看護師と知識を共有することができるでしょう。そうすれば、その時点で最良の看護をカンファレンスなしでも行うことができます。また、かつて行われた研究を元によりよい看護が提唱される可能性も高いのです。

1-3.看護師の質と意識の向上

医学が進歩するにつれて看護の幅も広がり、看護師に求められるものも変わってきます。その度に話し合いを繰り返して、一から看護方針を決めていては時間がいくらあっても足りません。しかし、看護研究を通して知識や技術を共有できていれば、それをもとにしてより良い看護方法を提唱し、実践できるのです。

実際、現在の看護の専門知識は過去の看護研究が解明してきた事実を知識として整理し、実践しやすいように体系立てた結果なのです。ですから、今行われている看護研究も、将来新しい看護の専門知識として役に立っていくことでしょう。

2.看護研究の進め方は?

では、実際の看護研究とはどのような流れで進めていけばよいのでしょうか? この項では、看護研究の一般的な進め方をご紹介していきます。

2-1.看護研究のテーマを決める

看護研究の第一歩は研究テーマを決めることです。研究というと、何か大きなテーマを決めなければならないと思う方もいますが、大きすぎるテーマは解決方法もひとつではありません。結論がまとまらず曖昧なままに終わってしまうことも多いので、研究テーマとしては不向きなのです。

看護研究のテーマを決めるポイントは「日々の疑問」と「先人の知恵」です。日々の看護の中で感じた疑問点や困ったことを研究のテーマにすると、やりがいがある研究ができるでしょう。

また、学生ならば過去の看護研究の論文を読み返し、テーマを絞るのもお勧めです。一度研究されたものだから、もうテーマとして取り上げてはならない、ということはありません。今までの研究と同じテーマを選び、違うアプローチで解決方法を探していくのも立派な看護研究なのです。

最初は仮のテーマだけを決めておき、研究を進めていきながら正式なテーマを決めていく、という方法もあります。

2-2.看護研究計画書を書く

看護研究計画書とは研究の設計図のようなものです。これがしっかりと形作られていれば、上司から具体的なアドバイスなどを受けることができるでしょう。計画書の様式は様々なものがありますが、ここではオーソドックスな書き方をご紹介します。看護研究計画書に書かなくてはならない項目は以下の通りです。

  • 研究のテーマ
  • 研究者及び共同研究者名
  • 研究の動機
  • 研究目的・仮説
  • 研究の背景
  • 研究の対象・方法
  • 研究の期間・費用

最初は大まかなものでもかまいません。研究を進めながら訂正していくこともできます。また、期間は余裕をもって定めておいたほうが良いでしょう。

2-3.文献検索の方法

看護研究を進めていくうえで欠かせないのが文献です。しかし、看護研究の文献の数は膨大で、どうやって探してよいかわからない、と悩むことも多いでしょう。そこで活用したいのがインターネットです。今は看護研究の情報サイトや、文献検索が行えるサイトもあります。看護研究に役立ちそうな文献サイトをまとめたサイトもありますので、ぜひ利用してみましょう。

文献を探す時はまず新しい文献から検索していきましょう。古い文献だと、臨床の現場ではすでに行われていないことが載っている場合があります。また、テーマの主題に沿った文献をまず検索し、それから少しずつ関連のある文献へと検索を進めていくとよいでしょう。そうすれば、文献はたくさん集まったけれどどれも今ひとつ参考にならない、という事態を防げます。

2-4.倫理的配慮を怠らないようにしよう

看護研究を行う上では「対象」が存在する場合があります。つまり看護の受け手です。この受け手に対しては行う配慮のことを倫理的配慮といいます。

具体例をあげると

  • 受け手より研究を優先してはならない
  • 受け手の安全や安楽を損なわない
  • 研究の対象とする際は、十分に説明し、相手の同意を得たうえでおこなう

ということです。

研究は確かに大切ですが、看護研究は通常の職務とは異なるものです。将来の役に立つのだから、と受け手を不快にさせたり、不安を感じさせたりしないように十分に配慮しましょう。

3.論文として発表する場合は?

看護研究の結果を論文として発表する場合は、今まで集めてきたデータを整理し、定められた書式にそってまとめていきます。それぞれの提出先で求められる内容もありますので、まずはそれを確認してから論文作成にとりかかりましょう。論文として発表するということは、文献として後世に残ることを意味します。データの不備や不明瞭なところがないか、何度も確認をしてから提出をしましょう。

また、他の論文からデータを利用する場合は、その旨をきちんと記載しておかないと、後でトラブルに発展する可能性もあるので、十分に注意をしましょう。

おわりに

今回は看護研究の意義や役割、看護研究の進め方をご紹介しました。
まとめると

  • 看護研究は看護の知識の共有や、看護師全体の技術の向上に役に立つ
  • 看護研究テーマは大きすぎるものは避ける
  • 看護研究計画書は、研究を行いながら訂正をしていっても構わないので、期間は余裕をもっておくとよい
  • 論文を書く際にはデータの不備がないように何回もチェックしよう

ということです。

臨床の現場で働きながら看護研究を進めることはとても大変です。しかし、看護研究を行うことで、今まで感じていた疑問や不具合が一気に解決することもあるでしょう。時間がかかっても構わないのでコツコツと行っていくことが大切です。

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