看護師が悩む患者さんとのコミュニケーション

看護師が悩む患者さんとのコミュニケーションで注意するポイントとは

元看護師のゆかり

【執筆者プロフィール】

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どんな職業でも円滑な人間関係を築くためにはコミュニケーション能力が必要です。特に看護師は患者さんやその家族・医師や上司・同僚やスタッフ等さまざまな相手とうまくコミュニケーションを図って仕事をしなければなりません。

患者さんに信頼されなければよい看護はできませんし、他の医療関係者とうまく連携が取れなければ高い医療行為はできません。就職や転職においても看護師の資質として重視されるのが「コミュニケーション能力の高さ」なのです。

患者さんとのコミュニケーションの大切さやその方法については看護学校時代から学んではいるものの、実際の現場で患者さんと上手くコミュニケーションが取れない事に悩む看護師は多いようです。
患者さんのタイプも病状もさまざまで、相手や状況によってコミュニケーションの方法は異なります。誰とでも必ずうまくいくマニュアルが存在する訳ではありませんが、中にはどんな患者さんとも上手にコミュニケーションをとり、すぐに相手との距離を縮めて親しくなる看護師もいます。

コミュニケーション能力の高い人に見られる特徴としては、『穏やかで自然な態度で相手に向き合う』『相手の話は途中で遮らず最後まで聞く』『自分の意見や話したい事を一方的に話すのではなく相手から会話を引き出す』『他の人にもさりげなく話を振る』などが挙げられます。
特にコミュニケーションを円滑に行うためには、相手の話の内容や相手の意見を最後まできちんと聞いて受けとめた上で、相手を否定せず自分の考えを伝える事が重要です。一方的に用件だけを伝えるだけではコミュニケーションとは言えません。 しかし、ただでさえ人手不足で忙しい看護師達にとって担当する患者さん一人一人と十分に話をする時間を確保するのは難しいものです。
患者さんと接する時に気をつけなければいけないポイントを具体的に挙げてみましょう。

相手を不快にさせない視線と表情

患者さんやその家族は不安な思いを抱えています。些細なことでも悪く考えてしまいがちです。そのような心理状態を十分に理解し、話をする時の態度や表情にも注意しましょう。
話す時には視線を合わせるのが基本。視線を合わせないと無視されている様な印象を与えます。しかし、ずっと見つめ続けてしまうと攻撃的な印象を与え、患者さん自身が責められている様な思いをさせてしまいます。顔色や表情などを観察するためにも顔全体を見るようにしましょう。
また、自分では無意識にしている表情や仕草でも相手には不機嫌な様子に見えたり、相手の不安を駆り立てたりします。眉をひそめる・口角を下げる・頬を膨らませる等の癖がある人は注意しましょう。

相手の話を聞く時には一旦手を止めて

患者さんと話をする時はバイタルを測ったり包帯を替えたり注射をしたり等々の処置をし、患者さんの様子や症状の変化などを観察しながら・・・という状況が多いものですが、患者さんの話を聞く時には一旦手を止めて相手に体と顔を向けることが大切です。限られた時間の中で処置をするのですから「ながら聞き」になってしまうのは仕方ありませんが、一時でも手を止める事によってそそくさとした慌ただしい雰囲気を和らげることができます。

専門用語はできるだけ使わない

看護師の仕事では多くの医療用語を使いますが、毎日使っているとそれが「専門的な用語」であるという感覚が薄れ、患者さんや家族に対しても普通に使ってしまいがちです。褥瘡・清拭・嚥下・水疱・浮腫・体位変換など一般の人はほとんど使いませんし、一度聞いただけでは分かりにくい言葉です。症状や処置などを丁寧に説明したつもりでも実は患者さんにはまるで伝わっていなかったということはよくあることなので、患者さんに対してわかりやすい日常の言葉で言い換えることが必要です。

患者さんとコミュニケーションを図ることは、状態把握・経過観察・精神的安定・治療への理解など大切な目的があり、看護業務の重大な基本になります。視線・表情・聞く態度だけでなく声のトーンやイントネーション、ボディーランゲージなどにも気をつけ、患者さんとの信頼関係を築き、気持ちや状態を読み取る努力していきましょう。

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