介護士から看護師へ転職する方法は? まずは学校に通いましょう!
高齢者が増えるにつれて、ますます活躍の場が広がっている「介護士」。また、介護士の資格保持者の中には、さらに資格を取り、職種の幅を広げたいという方も少なくありません。
そこで今回は、介護士が看護師の資格を取るための方法をご紹介します。介護士と看護師は同じ職場で働く場合も多いので、介護士として働くうちに看護師の仕事に興味が出てきたという方も多いです。看護師の資格を取りたいと考えている介護士の方や、介護士以外の資格を取りたいという方はぜひ読んでみてくださいね。
- 介護士と看護師の違いは?
- できるだけお金をかけずに看護師の資格を取る方法
- 介護士の資格を持っている看護師の求人状況
1.介護士と看護師の違いは?
この項では、介護士と看護師の違いや、介護士が看護師に転職するために必要なことなどをご紹介します。介護士と看護師の仕事は共通する面もありますが、それ以上に異なることも多いのです。
1-1.介護士の仕事と看護師の仕事の違いは?
介護士は、日常生活が不自由な方(主にお年寄り)の介助をすることが仕事です。食事や排せつ、買い物などその内容は多いですが、「介護される人ができる限り快適に暮らせるようにする」ことが目標です。
一方看護師は、同じように食事や排せつの介助をすることもありますが、主な仕事は医師の補助として点滴や注射、体温や血圧のチェックをすることです。つまり、介護士は健康な方の日常的な介助が仕事であり、看護師は療養が必要な方の介助や看護が仕事です。ですから看護師になるためには介護、看護の知識のほかに医療の知識も必要なのです。
1-2.介護士が看護師に転職するには?
介護士が3年以上の勤務経験を積むと、介護福祉士の受験資格を得ることができます。しかし、介護士から看護師になるためには専門学校に3年間通った上に国家試験を受験する必要があります。介護福祉士から看護師に転職する際も同じです。介護士として何年のキャリアがあっても、試験だけ受ければよいというわけにはなりませんので注意が必要です。
1-3.介護士のキャリアを捨てないと看護師になれないの?
介護士から看護師になるには、必ず看護専門学校に通わなくてはなりません。でも「せっかく介護士としてキャリアを積んだのに、それを捨てなければならないの?」と思う人もいるでしょう。しかし、介護士の経験がある看護師というのは看護施設ではとても貴重な存在です。
前述したように、介護士と看護師の仕事は似ているようで異なっている部分もたくさんあります。介護士の経験がある看護師ならば、両者の橋渡しになれる可能性も高いでしょう。
また、介護士の給料は決して高額ではありませんが、看護師になれば給料は格段にアップします。3年の月日が必要とはいえ、一生のことを考えれば、看護師の資格を取っておいて損はありません。
2.できるだけお金をかけずに看護師の資格を取る方法
看護師になるには、看護専門学校に行って、国家資格を突破しなくてはなりません。学校に通うにはお金がかかります。では、できるだけお金をかけずに看護師になるにはどうすればよいのでしょうか? この項ではそれをご紹介します。
2-1.奨学金を取得する
看護学生が得られる奨学金は、他の大学生や専門学校生に貸与される奨学金よりも数が多いです。中には都道府県が出してくれる奨学金もあるでしょう。
また、シングルマザーのための補助のひとつに、看護学校の費用の一部が免除になるという自治体もあります。しかも、奨学金の種類によっては、特定の施設に決まった年数勤めれば、返済が免除になるというものもあります。学校に行きたいけれど経済面が心配という方は、ぜひ奨学金を検討してみましょう。
2-2.准看護師の資格を取る
国家資格の正看護師に対し都道府県が免許を発行する看護師を准看護師と言います。都道府県が発行する免許、といっても取得した資格は全国で使えますから、安心してください。準看護師の資格を取るには、やはり専門学校に行かなくてはいけませんが、正看護師が3年に対して、2年で卒業できます。
また、病院が経営している看護学校では、午前中は看護助手として働きながら、午後は学校に通うということもできるでしょう。この方法だと働きながら学校に通えるので当然給料も出ます。
准看護師として10年働けば、通信制の看護教育を受けた上で正看護師の資格を取得することも可能です。3年も看護学校に通う時間がない、という方はまずは准看護師の資格を取り、ステップアップしていくという方法もあるでしょう。ただし、准看護師の資格が取れる学校は年々減少傾向にあります。資格を取るなら早めのほうがよいですね。
3.介護士の資格を持っている看護師の求人状況
介護士から看護師への転職は決して珍しくはありません。前述しましたが、介護士はとてもやりがいのある仕事です。しかし、給料は決して高いとはいえません。特に若い男性介護士は将来のことを考えると、看護師への転職を考える人が少なくないようです。学校に通うための3年のブランクも、看護師になるためならばそれほどマイナスにはならないでしょう。
また、これからは介護士として働きながら看護師の資格が取れる制度が整っていく可能性もあります。さて、実際に介護士と看護師、両方の免許を持っている方はやはり介護施設が付属している病院からの求人が多いです。
特に訪問看護などは、介護士としての経験をいかせるでしょう。介護福祉士の資格を持っているのならなおさらです。このような求人は、ハローワークやネットの求人欄にも募集が出ることがあります。
しかし、もっとも求人情報が集まるのは、やはり看護師専門の求人情報サイトでしょう。看護師専門の求人サイトならば、持っている資格別の求人も検索できるので、自分の能力を欲している病院や介護施設がすぐにわかります。せっかく時間とお金をかけて看護師の資格を取得したのですから、それをいかせる場所で働きたいものです。
奨学金の関係で働ける施設が限られているとしても、できるだけ介護士のキャリアを生かせる場所で働けるように掛け合ってみましょう。施設のほうも、介護の経験と知識のある看護師は貴重なはずですから、取り合ってくれないということはないはずです。
おわりに
今回は介護士から看護師へ転職する方法をご紹介しました。
まとめると
- 看護師になるためには、介護士の資格を持っていても専門学校へ行き、国家資格を受験する必要がある
- 准看護師ならば働きながら資格を取得することが可能
- 正看護師の資格を取りたい場合は、奨学金を利用すると経済的な負担が減る
- 転職活動は看護師専門の求人サイトを利用しよう
ということです。
介護士から看護師への転職は、学校に通わなければならない分、他の職業の転職より厳しいものがあります。また、最近は看護師志望の高校生も増えたので、看護学校の偏差値も上昇傾向にあるでしょう。ですから、社会人が看護学校に入学するためのハードルは年々高くなっているかもしれません。しかし、看護師は、男女の区別なく全国で働ける職業ですし、常に一定の需要があります。転職先も他の仕事に比べれば豊富でしょう。取得できる環境ならば、取得していて損はありません。介護士としてのブランクが生まれても、また看護師として介護施設で働くことも可能です。