ママさんナースを目指すならまず、知っておきたい『育休』のこと
看護職は勤務形態や労働条件がハードなため結婚・妊娠や出産・子育てなどの理由で離職を選ぶケースも多いのですが、最近では国の政策と共に子育て支援や復職支援を充実させている医療機関も増え、出産後も育休制度などを利用して離職せずに再び職場に復帰する道を選ぶ看護師も増えてきています。
日本看護協会の調べによると2010年度の育児休業取得率は91.2%であり、一般女性労働者83.7%と比較しても高い取得率になっています。
『育児休業』と『育児休暇』の違いは?
『育児休業』は、育児・介護休業法に定められている法に基づく制度で『育休』と略されます。子ども一人につき1回、1歳になる誕生日の前日まで取得できます。なお、保育所等に入園できなかったり、配偶者の病気など子どもの養育が困難な場合には最長1歳6カ月まで延長することも可能です。
取得条件には「雇用期間が1年以上である」「育児休業後雇用が継続すること」という2つがあり、この条件を満たしていれば正社員だけでなくパートや契約社員でも取得でき、雇用側は育児休業の申請を拒むことはできません。
所定の条件を満たしていれば(雇用保険に加入し保険料を支払っていることが大前提)ことが雇用保険から『育児休業給付金』支給されます。その額は休業開始から180日目(6ヶ月間)は「休業開始時賃金日額×支給日数の67%」(181日目以降は50%)、通常2ヶ月事に受け取れます。
『育児休暇』は、特に法律上定められている制度でなく企業によって異なり、独自規定の場合がほとんどです。 福利厚生が整っている比較的大きな医療機関では育児休暇制度があることが多いようです。例えば、1年間の育児休業後も引き続き子どもが3歳になるまで休暇を取得できる等ですが、育児給付金の支給が終われば無給となることが多いようです。『育児休業』も『育児休暇』も育児を目的として仕事を休むという意味では同じですが、定義や制約において異なる内容であることがわかります。
いずれの場合も病院からの収入が保証されているわけではなく、給料や賞与(ボーナス)が支給されることはなくなりますので一時的に収入を失うことになります。ボーナス支給対象期間内の復職であれば減額されてボーナスを支払われる可能性はありますが、それぞれの病院・医療施設の給与規定や計算方法によるのです。
育休中にアルバイト・パートはできる?
育児休暇中は一時的に収入が途絶えることになり生活面で厳しい状況になる場合もあります。また長期間休んでいると技術面の低下が心配でもあり、パートやアルバイトなど少しでいいから働きたいという看護師も多いようです。原則として育児休暇中にパートやアルバイトをしても、育児休業給付金の不正受給にはなりません。ただし、パート・アルバイト先では雇用保険に新規加入しないことが条件となります。また現在働いている勤務先で働くことはできません。
育休中でも雇用保険に入らなければ、他の勤務先では働くことはできるのです。産後6週間以降で医師が認めれば就労できますが、働いていた職場が副業してよいのかという事が重要になってくるので確認が必要です。
職場復帰に向けて育休中にしたいコト
育休期間は慌ただしくあっという間に過ぎてしまいます。子育てしながらの看護師復帰は想像以上に大変なことが多く、復帰前から準備をしておくことが大切です。育休中も2~3ヶ月に1回程度は職場に顔を出し、保育園等の受入状況や家族の協力体制なども考慮しながら現状を上司に報告しておいた方がいいでしょう。復帰後の勤務状況や配属先などに影響することです。
仕事と育児を両立さたい看護師にとって、よりスムーズな職場復帰を果たすために育休制度や育休中の過ごし方などあらかじめ情報収集を十分に行いましょう。