【注目】看護師の国家試験合格率はどう? 就職や転職を目指す人へ!
看護師は、医療にかかわる専門職として常に高い需要があります。また、仕事へのやりがいと給料の高さでも評価が高いですよね。それに、高齢化社会が進む今、看護師として活躍することは社会貢献にもなると言えるでしょう。しかし、看護師になるためには規定の勉強をしてから国家試験に合格する必要があります。つまり、国家試験対策を万全にすることが、看護師への道を開くことになるのです。今回は、看護師の国家試験について詳しく解説します。
- 看護師について
- 看護師の資格について
- 看護師資格の合格率について
- 看護師資格の試験方法について
- 看護師のキャリアアップや転職について
- 看護師資格や試験にかんするよくある質問
記事を読んだ人は、実際の合格率を知るだけでなく、国家試験に合格するためのコツを知ることができます。また、看護師としての求人状況やキャリアアップについても学ぶこともできるでしょう。本気で看護師になりたい人や、看護師として就職・転職をしてキャリアアップをしていきたい人は、ぜひ読んでみてください。
1.看護師について
まずは、看護師についての基本を学びましょう。職務や種類・魅力・給料などについて解説します。
1-1.看護師とはどんな職業か
看護師とは、患者の病気やケガの回復をサポート・ケアしたり医師の指示に従って治療の補助に当たったりする専門職となります。医師だけでは、患者のケアまで十分にできません。看護師がいるからこそ、スムーズな治療ができるのです。なお、国家資格を受けた人だけが看護師を名乗ることができるため、誰でも職に就くことができるものではありません。
1-2.看護師の職務とは
看護師の主な職務は、以下をご覧ください。
- 医師が行う診察・治療・手術の補助
- 病気やケガをしている患者のケア
- 患者の日常生活にかんする世話
- 患者の家族に対する説明や精神的なケア
- 看護記録の作成
看護師の職務は、とても多くあります。しかし、基本的には患者の治療をスムーズに進めるための補助業務と考えてください。
1-3.看護師の種類を確認しよう
看護師は、看護師と准看護師の2つに分けることができます。2種類の違いについては、以下を参考にしてください。
- 看護師:医師の指示に基づいて治療や療養の補助と看護を行う・国家資格である
- 准看護師:看護師の指示に従って看護業務に当たる・国家資格ではない
なお、看護師の仕事は、保健師や助産師でも行うことができます。また、看護師の中でもより専門的な分野にかかわるものとして、認定看護師や専門看護師の存在も忘れてはいけません。自分がどんな働き方をしたいかによって、最終的に目指す看護師の種類を決めましょう。
1-4.看護師になる魅力
看護師は、患者の世話をするだけでなく、治療を手助けする役割があります。医療の現場は、多忙であり医師だけでは十分な治療を行うことができません。看護師や、医師の指示に従って患者に最適な医療を届けるために重要な存在なのです。そのため、働くことにやりがいと誇りを持つことができるのが大きな魅力と言えます。
1-5.看護師の給料について
看護師の給料は、女性の平均給与よりも高くなる傾向があります。国家資格を手にする専門職であることや、医療分野の知識・経験が必要な点、職場によっては夜勤もこなすなど、さまざまな点から多くの手当てが付きやすいのも特徴です。しっかりと働いて給料を稼ぎたい人には、看護師として働くことをおすすめします。なお、看護師としてキャリアアップをすることで給与を上げながら働き続ける人も多いです。
2.看護師の資格について
それでは、看護師の資格について学びましょう。看護師の資格を持っていると、そのほかの関連資格のチャレンジする道が開けます。常にスキルアップを望む人にも最適です。
2-1.看護師は国家資格のひとつ
看護師は、厚生労働大臣が任命する国家資格のひとつです。医療行為は、医師や看護師などの国家資格を持つ人だけが行うことができます。看護師は、医師の指示に従って患者に点滴や注射を打ったり採血・血圧測定・投薬などの一連の業務をこなしたりすることができるのです。人の命にかかわることから間違いがあってはいけないため、国家資格を取得した人だけが就くことができるという点も特徴と言えます。
2-2.看護師資格が生きる資格について
看護師資格があると、保健師や助産師を受験することが可能となります。また、看護師の知識がベースとなるため、保健師や助産師の業務も頭に入りやすいことが特徴です。看護師として病院などに勤務するだけでなく、保健師や助産師として働くことも視野に入れて検討してみてください。
2-3.キャリアアップにつながる資格とは
看護師にも、より専門的な知識を持った認定看護師と専門看護師が存在します。両方とも、公益社団法人日本看護協会による認定を受けたプロフェッショナルです。より詳しい内容については、以下を参考にしてください。
- 認定看護師:特定分野に対して水準の高い看護を提供する(がん看護など13分野の区分がある)
- 専門看護師:看護ケアのスペシャリストとして患者および周囲の人のケアを行う(救急看護など21分野の区分がある)
認定看護師も専門看護師も、より高いレベルの看護を目指す人はぜひ検討してみてください。高水準な看護知識や技術を持った人材は、今後も需要が高くなる一方と言えます。
3.看護師資格の合格率について
看護師資格の合格率は、皆さん気になるところですよね。実際の合格率や難易度などについて確認しておきましょう。
3-1.看護師資格の合格率はどのくらい?
看護師資格の合格率は、看護師が約90%で准看護師が98%と高い数字となっています。看護師養成のための専門教育を受けて、まじめに勉強をしていれば十分に合格可能であると考ええてください。ただし、全員が合格しているわけではありません。当然ながら、基本ができていなければ不合格となりますので注意してください。
3-2.看護師資格の難易度について
看護師資格も、種類によって難易度が異なります。准看護師が最も簡単で、看護師と保健師が同じくらいの合格率です。助産師にかんしては、平成28年度の国家試験では99.8%もの高い数字を出していることに注目してください。数字だけで見ると助産師の難易度が低いように見えます。しかし、助産師は前提として看護師資格を取得していることが受験資格となるのです。つまり、合格率が高くても安易な取得はできないと覚えておいてください。
3-3.合格率の推移について
看護師試験の合格率は、年によって異なります。直近3年の合格率の推移については、以下を参考にしてください。
- 2014年度(第103回):89.8%
- 2015年度(第104回):90.0%
- 2016年度(第105回):89.4%
合格率にかんしては、約90%で安定していることがわかります。つまり、いつ受けても同じくらいの難易度で推移していると言えるのです。受験した年によって、極端に難易度が高いことはありません。
3-4.看護師資格の取得方法について
看護師資格を取得するためには、看護大学や看護専門学校で規定の基礎看護教育を受けてから国家試験に合格する必要があります。そのため、誰にでも受験資格があるわけではありません。看護師になりたい人は、まずは看護大学や看護専門学校に通ってください。最近では、4年制大学の看護学科で学んで卒業後に看護師として働く人も増えていますよ。
4.看護師資格の試験方法について
看護師資格の試験方法について、詳しく解説しましょう。試験方法をしっかり理解しておくことで、当日も自信を持って臨むことができますよ。
4-1.看護師資格の試験方法について
看護師試験の試験方法・概要については、以下を参考にしてください。
- 申し込み方法:願書を郵送もしくは直接持参
- 試験日:年1回・2月中旬から下旬
- 試験地:北海道・青森県・宮城県・東京都・愛知県・石川県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県
- 出題範囲:人体の構造と機能・疾病の成り立ちと回復の促進・健康支援と社会保障制度・基礎看護学・成人看護学・老年看護学・小児看護学・母性看護学・精神看護学・在宅看護論・看護の統合と実践
- 試験時間:午前の試験2時間40分・午後の試験2時間40分
看護師試験にかんするより詳しい情報は、下記も参考にしてください。
なお、准看護師の試験方法・概要については、以下をご覧いただくといいでしょう。准看護師は、各都道府県知事が任命するため、地域によって試験日程が異なる可能性があるので注意してください。
4-2.看護師資格の受験勉強の仕方
看護師資格を確実に手に入れるためには、受験勉強の仕方にも工夫が必要です。まずは、過去問題集を繰り返し解くことで、試験の形式に慣れてください。また、過去問題集を解いていると自分の苦手分野がわかります。得意分野ばかり勉強をしないで、苦手分野の克服に重点を置いた勉強をしてください。なお、合格率を高めるためには市販の参考書や教材を利用するのもいい方法です。自分に合ったものを探してみるといいでしょう。
4-3.看護師資格を受験するときに必要なそのほかのこと
看護師試験の受験は、当日に実力を発揮できるかどうかの勝負となります。試験概要を頭に入れて、何度もシミュレーションしてください。また、全問正解をしなくても合格は可能です。わからない問題や自信が無い問題は後回しにして、着実に得点を重ねていきましょう。最後に、見直しをする余裕が出るように時間配分にも気を付けて回答を進めてください。
5.看護師のキャリアアップや転職について
看護師のキャリアアップや転職について学びましょう。現在の求人状況や、キャリアアップに役立つ内容ですからじっくりご覧ください。
5-1.看護師の求人状況について
高齢化がますます進む中、看護師の需要は高まるばかりです。そのため、求人についてはいつでも豊富にあると考えてください。しかも、実務経験が豊富にある場合は、有利な条件での転職や再就職も可能になっています。看護師不足の今、即戦力として働くことができる人は引く手あまたの状況と言えるのです。また、実務未経験者でも看護師資格を取得した後、現場で学びながら働くこともできますよ。
5-2.看護師のキャリアアップについて
看護師は、求人が豊富にあるため、自分のキャリアアップのためや給料などの条件アップを望んで転職する人も多いです。特に、難易度の高い看護師資格を持っている人は、どの病院でも重宝します。また、看護師の資格の中でも専門性が高くなるものは、自分自身の仕事の幅を広げるだけでなく給料アップにも有利です。看護師としてスキルアップを続けるためにも、専門性の高い資格取得を目指すといいでしょう。
5-3.看護師の転職について
看護師の転職にかんするメリットやデメリットを理解しておきましょう。メリットは、常に求人があるために転職には困ることが無い点です。また、ひとたび仕事から離れても再就職がしやすいこともメリットと言えます。デメリットは、職場選びを間違えると厳しい労働条件が待っている点です。就職・転職先を選ぶときは、気を付けましょう。給与は高いと言えます。年収で600万円から700万円を手にしている看護師も多いですよ。
5-4.看護師のキャリアアップや転職にかんする経験者の声
看護師のキャリアアップや転職は、経験者に感想を聞くことがとても役立ちます。身近に話を聞くことができそうな人がいる場合は、いろいろと相談してみてください。キャリアアップのコツや苦労した点、いい求人情報を見分けるポイントなどを教えてもらうことができます。看護師としてキャリアアップに成功した人は、ほかの人とは違う何かを持っているはずです。ぜひ、見習ってください。
5-5.看護師のキャリアアップ・転職のポイント
看護師の転職やキャリアアップに必要なことは、情報収集力と求人情報の読解力です。まずは、できるだけ多くの看護師求人に触れてください。最初は、できるだけ条件をゆるくすることがコツです。自分が譲ることのできない条件を軸として、理想の求人情報をみつけてください。なお、常に看護師求人が出ている職場は、離職率が高い可能性もあります。好条件でも短期間に何度も求人が出ているところは、慎重に判断しましょう。
5-6.看護師のキャリアアップ・転職の相談窓口
看護師のキャリアアップや転職の相談窓口としては、看護師転職サイトがとても役に立ちます。評判のいいところには、非公開求人で条件のいいものもたくさん持っているものです。また、転職活動を有利にするためのノウハウも教えてくれるなど、メリットがたくさんありますから積極的に利用しましょう。なお、看護師の転職相談窓口として、下記も参考にしてください。
5-7.看護師のキャリアアップや転職にかんする注意点
看護師のキャリアアップや転職は、ぱっと見の数字や文字だけの情報だけで飛び付かないことも大切です。自分に都合よく判断することは失敗につながるのでやめましょう。まずは、求人情報をしっかり読んでください。休日や給料の表示方法に疑問がある場合は、きちんと確認しましょう。また、看護師転職サイトを利用する場合は、現場の様子や非公開の情報を教えてもらえることもありますよ。
6.看護師資格や試験にかんするよくある質問
最後に、看護師資格や試験にかんするよくある質問にお答えします。確実に合格するためにも、不安な点は今のうちに無くしておきましょう。
6-1.看護師でも夜勤の無い働き方をしたい場合はどこに就職するべきですか?
看護師が働くとき、夜勤も当たり前にあると思っている人もいるでしょう。しかし、勤務先によっては、昼間だけの勤務形態となっているところもあります。たとえば、高齢者用のデイサービス施設ですね。デイサービス施設では、基本的に平日の午前中から夕方までの勤務となることが多くなります。夜勤が無いほかにも、土日も休みやすいなどメリットがあるので検討してみてください。
6-2.准看護師になってから看護師を目指した方がいいですか?
准看護師になってから、看護師を目指す方法でも問題はありません。しかし、看護師養成課程を受けているのなら、看護師資格の受験から始めることをおすすめします。准看護師は、看護師の指示を受けて業務に当たるなど、やることができる範囲に限りがあるからです。現場で活躍したいと考えるのなら、看護師免許の取得を考えてください。
6-3.スキルアップのためには認定看護師や専門看護師にならないとダメですか?
認定看護師や専門看護師は、高いレベルの看護を提供したり専門分野に特化したケアをしたりすることができます。確かに、一般の看護師よりも専門色が濃いと言えるでしょう。しかし、必ずしも認定看護師や専門看護師になる必要はありません。現在の働き方を見直して業務改善をしたり転職をしたりなど、さまざまな経験を積むことでスキルアップは可能ですよ。
6-4.看護師試験合格のためには予備校などに通うべきですか?
看護師試験の準備として、予備校に通うこともひとつの方法です。独学での受験対策に不安がある人は、予備校も検討してみる価値はあります。ただし、予備校の質も見極めが大切です。まずは、前年度の合格実績をチェックしてみてください。合格率が高くて、受講者の評判がいいところを選ぶと間違いがありません。また、受講を決める前にパンフレットを入手したり体験入学をしたりしてみましょう。
6-5.看護師資格を取得後に就職する病院でおすすめの条件は?
看護師資格を取得してすぐのときは、実務経験が無い状態です。そのため、大きな病院などで先輩看護師の指導を受けながら働く環境が整っているところに就職することをおすすめします。小さなクリニックや専門性の高い病院では、即戦力を期待するため難しいことが多いです。求人票などの「求める人物像」などもチェックして、無理の無い働き方ができるところを探しましょう。
まとめ
看護師は、高齢化社会が進むにつれてますます需要が高まっている資格です。求人も常に多く就職や転職に有利な点や職場環境や働き方を選びやすい点から、特に女性におすすめと言えるでしょう。国家試験の合格率も高く、看護師志望者の熱意がうかがえます。ただし、看護師になるためには、看護師養成課程のある大学や看護専門学校に通ってから国家試験を受けてください。時間は掛かりますが、勉強をして資格取得をするだけの価値はあると言えます。看護師になれば、一生仕事に困ることもありません。皆さんも、ぜひ看護師の国家試験合格を目指してがんばってくださいね。