【必見!】主任看護師の仕事内容・役割・必要なスキルを解説!
看護師には、一般看護師・主任看護師・看護師長・総看護師長のようなランクが存在し、キャリアアップを目指す方にとっては、主任看護師に昇格することが目標になることもあるでしょう。
しかし、主任看護師には、そのポジションで必要とされるスキルと経験が求められます。本記事では、主任看護師が果たす役割や適性、必要なスキルについて詳しく解説していきます。
主任看護師の仕事に携わる方や、キャリアアップを目指す方はぜひ参考にしてみてください。
- 主任看護師ってどんな看護師?
- 主任看護師の仕事内容をチェック!
- 主任看護師に向いている人、やりがいは?
- 主任看護師になるために必要なもの
- 主任看護師に関してよくある質問
この記事を読むことで、主任看護師について詳しく分かります。スキルアップを目指している方、資格取得を考えている方はぜひチェックしてください。
1.主任看護師ってどんな看護師?
まずは、主任看護師がどんな役割なのか、基本情報を把握しておきましょう。
1-1.どんな看護師か?
主任看護師は、企業でいう「係長」のような立場の看護師です。主任看護師の上の立場となる看護師長の補佐的役割を担っており、看護師長・総看護師長を目指すためには必ず通らなければならない役職といえるでしょう。要するに、一般看護師がキャリアアップをしたときの最初の役職で、中堅看護師のような存在です。
1-2.どういう人がなるのか?
日ごろの看護業務だけでなく、看護師長の補佐業務を行うのが主任看護師です。どういう人がなれるのか、具体的に決まっていませんが、「看護師としてのキャリアを10年以上持っている人」が多い傾向にあります。けれども、病院によっては、10年以内のキャリアでも能力が認められて主任看護師に指名されたケースもあるのです。また、仕事内容が幅広くなるため、管理能力・コミュニケーション能力に長けた人が主任看護師になる傾向もあります。一般看護師よりも、広く見渡せる視野を持っておかなければなりません。
1-3.主任看護師の重要性は?
主任看護師は管理職です。昇格するにつれて、行う業務の重要性と役割が増えていきます。看護師は、患者さんが快適な生活が送れるようにサポートする看護業務が中心です。
けれども、管理職となる主任看護師は、病院経営という観点からも重要な人材となります。看護業務をただ単に行っていた一般看護師から、看護業務の管理・指導を任され、サポートをする立場になるのです。
1-4.各病院で何人ぐらいが主任看護師になるのか?
主任看護師は、ナースステーション1か所につき1人在籍するのが一般的です。つまり、診療科につき1人の割合となります。病院にも総合・大学病院などの大規模施設から、一般病院とさまざまな種類があるでしょう。
病院の看護師・診療科の数が多いほど、主任看護師の数も多くなります。必ずしも、病院に主任看護師は○人いなければならないとは決まっていません。
2.主任看護師の仕事内容をチェック!
一般看護師よりも仕事が増える主任看護師ですが、具体的にどのような仕事をするのでしょうか。主な職務と業務について説明します。
2-1.仕事内容
前述したように、主任看護師としての仕事は、一般看護師の仕事に加え、看護師長の補佐業務が加わります。なぜなら、看護師長になるためのステップアップとしての役職でもあるからです。いずれ、1人前の看護師長になるためには、補佐業務で慣れておかなければなりません。
もちろん、看護師長の補佐業務だけでなく、看護業務の管理とサポート・スタッフの管理とサポート・職場環境の改善・栄養士など他職種との協働を行うことになります。
2-2.主な職務と業務
前述したとおり、主任看護師として働く場合は、上司の補佐業務が中心となります。たとえば、一般看護師のシフト作成・ベッドコントロールなど、病棟看護師と患者両方の状況を把握する職務です。また、看護師長にとっては主任看護師から状況報告を受けながら、どうすべきか一緒に考えて相談できる貴重な存在となります。だからこそ、パートナーとしての主任看護師を探す看護師長は多いのです。
ほかにも、職場の危機管理・ヒヤリハットのまとめなど、一般看護師の管理とサポートを行います。それぞれの看護師がどんな仕事をしているのか常に把握しながら、問題点もチェックし、メンバーに的確な助言をするのも大切な業務なのです。
3.主任看護師に向いている人、やりがいは?
では、主任看護師に向いている人とはどんな人物像なのでしょうか。主任看護師のやりがいと、よくある苦労&悩みについても説明します。
3-1.向いている人はどんな人?
看護師としての経験はもちろん大切ですが、実際に主任看護師として働いた人の話によると、「コミュニケーション能力」と「広い視野」が必要とおっしゃっていました。
人と関わるのが苦手で、メンバーや看護師長とのコミュニケーションを怠っていると、業務に支障をきたしかねません。主任看護師は、一般看護師と患者、一般看護師と看護師長などの管理職との間を取り持つ存在でもあります。そのため、高いコミュニケーション能力と広い視野を持つ人が向いているでしょう。
3-2.やりがいは?
主任看護師は、各種委員会・看護研究などの進行状況と問題点を把握し、メンバーに的確な助言を行います。さらに、メンバーがそれぞれ仕事に誇りを持ち、目標に近づけるようにサポートを行うことになるのです。
そのため、自然と周囲への気づかいや精神状態などの気づきも敏感にならなければなりません。まさに、主任看護師は、周囲から信頼される存在といえます。看護師としてだけではなく、1人の人間としてのやりがいを強く感じるようになるでしょう。
3-3.よくある苦労と悩みをピックアップ!
スキルアップのために必ず通らなければならない主任看護師の仕事ですが、仕事量が増え、責任のある役職だからこそ、その分の苦労と悩みも出てくるものです。たとえば、毎月考えるシフトの作成があります。メンバー全員の希望を、すべて叶(かな)えることはなかなか困難です。
また、どう言えば一般看護師に伝わるか、素直に指示を聞いてくれるかなど、コミュニケーションの点でも悩みを抱える主任看護師が多くいます。どの職場でも、上の立場になると、「自分が引っ張っていかなければならない」というプレッシャーに押しつぶされそうになるでしょう。
中には、顔を合わせたり、会話したりすることが増える看護師長とのやり取りがうまくいかない・相性が合わないと悩んでいるケースもあります。
こうした苦労と悩みは、主任看護師を経験している誰もが持つものです。決して、あなただけではありませんし、それぞれの悩みを1つずつ解決していくことで、自分自身の成長につながるでしょう。
4.主任看護師になるために必要なもの
性格や素質だけでなく、主任看護師になるために必要なスキルもチェックしておきましょう。また、求人と需要、給料と年収、資格についても解説します。
4-1.必要なスキルは?
主任看護師は、一般的に10~13年の経験が必要といわれています。今まで培ってきた看護師としての技術や経験が大いに役立つでしょう。けれども、それだけでは主任看護師の職務をまっとうすることはできません。なぜなら、看護師長の補佐業務という新しい仕事が入るからです。業務量が一気に増えることもあり、スケジュール管理・マネジメント管理のスキルが必要となるでしょう。
中には、「自分にそんなスキルはない」と諦める人がいるかもしれません。しかし、主任看護師としてのスキルは仕事をこなすほどに自然と身につくものなのです。最初は、慣れるまで戸惑いや悩みが大きくのしかかってきますが、1つ1つ丁寧にこなしていけばスキルを身につけ、スムーズに業務が行えるようになるでしょう。
4-2.求人と需要
約10~13年の経験がなければ、主任看護師になることは困難です。現在、男性看護師も増えてきましたが女性看護師の割合が多く、結婚・出産を機会に辞職する方がいます。よって、看護師を続けて10~13年務めている方は限られるのです。さらに、患者の割合に対する看護師不足状態が長く続いています。つまり、主任看護師だけでなく、看護師自体の求人傾向が増え、需要が高まっている状態なのです。
4-3.給料と年収
主任看護師の給料・年収は、病院や勤続年数で異なります。たとえば、勤続10年で30代の場合は、年収480万~530万円程度、月収にすると30万~33万円程度になるでしょう。
勤続20年で40代の場合は、年収560万~630万円程度、月収にすると35万~40万円程度といったところです。主任看護師は、一般看護師にはない「主任手当」が追加されるため、給料・年収が高めとなります。仕事量が増える分だけ、給料もアップするというわけです。
4-4.必要な資格は?
主任看護師になるために、新たな資格を取得する必要はありません。国家資格の看護師資格を取得し、経験を10年ほど積んで能力が認められれば主任看護師になれるでしょう。そして、実績を積みながら、主任看護師から看護師長→総看護師長へのキャリアアップを目指すことができます。
5.主任看護師に関してよくある質問
主任看護師に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.尊敬され、信頼される主任看護師になるには?
A.主任看護師としてスムーズに作業を行うためには、周囲から尊敬され信頼される人にならなければなりません。そのために、まずは周囲とのコミュニケーションを図りましょう。たとえば、悩んでいる看護師がいたら話を聞いてあげたり、気づかってあげたりするだけでもOKです。メンバー1人1人と丁寧に向き合っていくことができれば、いつしか信頼されるようになります。
Q.どのような心がけが必要なのか?
A.完ぺきなリーダー、主任看護師を目指さないことが大切です。高い目標を抱くことは大切ですが、リーダーに向き不向きはなく、完ぺきにこなせる人もいません。主任看護師だからと気負いすぎないことが、大切な心がけといえるでしょう。その第一歩として、自分の長所と短所を把握してください。きちんと自分を理解しておけば、足りない部分を上司やメンバーたちと補い合い、協力し合うことができるはずです。
Q.取得しておくと役立つ資格が知りたい
A.看護師のキャリアアップとして近年注目が集まっているのが「心理カウンセラー」です。ストレス社会といわれている昨今、精神を病む患者が増加しています。看護師の技術と同時に心理カウンセラーを取得しておけば、患者のメンタル面もサポートできるでしょう。さらに、相手が看護師の場合でも、心理カウンセラーの資格が役立ちます。
Q.1度職場から離れた看護師でも、主任看護師を目指すことはできるのか?
A.結婚や出産を機に、職場から離れた人はブランクが大きな壁になっているでしょう。けれども、そのブランクが埋められるサポート制度が整っている病院が増えてきました。看護師業界は常に人材不足に陥っているため、離職している看護師でも受け入れられるように制度を整えているのです。1度離れたとしても、主任看護師を目指せる可能性はゼロではありません。
まとめ
主任看護師は、一般看護師や新人看護師の指導やサポートを行うことで、チーム全体のレベルアップに貢献します。また、患者さんの健康管理や治療計画の立案・実施、医療スタッフとの連携など、より広範な業務にも携わります。そのため、主任看護師には高いコミュニケーション能力やリーダーシップ、課題解決能力が求められます。
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