看護士の仕事の1つ、ミキシングとはどんな仕事? 注意点等を解説
ミキシングとは、輸液や注射をする際に複数の薬剤を混ぜ合わせることです。医師・薬剤師・看護師が行うことができ、日本の病院では看護師が行うことが多いでしょう。ミキシングを毎日行っているという看護師も多いと思います。その一方で、ミキシングのミスによる医療事故は多く、病院によっては対策に力を入れているところもあるでしょう。
今回は、ミキシングを的確に行う方法やミキシングを行う際の注意点を解説します。
- ミキシングとは何か
- ミキシングで起こしやすいミス
- ミキシングをする際の注意点
- ミキシングに関するよくある質問
この記事を読めば、ミキシングを行うコツもよく分かるでしょう。日常業務でミキシングをよく行うという看護師は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.ミキシングとは何か
前述したように、ミキシングとは点滴や注射をする前に複数の薬剤を混ぜ合わせることです。医療現場ではよく行われる作業で、毎日ミキシングをしている看護師もたくさんいます。その一方で、ミキシングのミスによる医療事故も珍しくありません。また、ミキシングを効率よく行えず、焦ったり時間がかかりすぎて怒られたりした経験がある看護師も多いでしょう。
2.ミキシングで起こしやすいミス
ミキシングを行う際、生じやすいミスには以下のようなものがあります。
- ミキシングする薬剤を間違える
- ミキシングする薬剤の量を間違える(gとmgなど)
- ミキシングをするタイミングを間違える(薬剤によっては、投与直前にミキシングをしないと効果が現れない)
- ミキシングを行った際、薬剤同士がうまく混ざり合わない
- ミキシング中に雑菌が混入
特に、慌てているときやミキシングに慣れたころにミスを起こしやすいでしょう。
3.ミキシングをする際の注意点
この項では、ミキシングをする際に気をつけておくべきことや、ミスを起こさないための確認方法を解説します。
3-1.6つのRを確認する
ミキシングの指示を受け、指示書を手渡されたら以下のような6つのRを念頭に確認していきましょう。
- 正しい患者(Right Patient)
- 正しい薬剤名(Right Drug)
- 正しい時間(Right Time)
- 正しい投与経路(Right Route)
- 正しい量(Right Dose)
- 正しい目的(Right Purpose)
何回も行っているミキシングでも、確認は大切です。
3-2.作業台や手を清潔にする
ミキシング作業中に薬剤に雑菌が混入すると感染症の原因となります。手洗いをしっかりして手袋を装着し、作業台はエタノール等で消毒しておきましょう。素手で薬剤を触ってはいけません。
3-3.複数のミキシングをする際の注意点
時と場合によっては、何種類ものミキシングを一度に行わなければならないこともあります。この場合、ミキシングをする薬剤をトレ―ごとにまとめ、1患者1トレーになるようにしましょう。たとえば、同じミキシングを複数パックすることがあった場合、患者さんごとにトレーにまとめておけば、間違えることはありません。作業台に薬剤をいっぺんに置き、ミキシングしたそばから振り分けていったりすると、ミスが起こりやすくなります。
3-4.声に出して確認する
可能ならば、声に出してミキシングする量や方法、患者さんの名前などを確かめましょう。読み間違えがなくなります。また、指示書はできるだけパソコンで作成してもらいましょう。癖のある字で手書きされると読み違えの原因になります。
3-5.時間に余裕をもって手順どおりに作業をする
時間がないとミキシングの手順を勝手に省略したり、確認がおろそかになったりします。ミキシングを行う際は時間に余裕をもち、手順どおりに行うことが大切です。
4.ミキシングに関するよくある質問
Q.ミキシングのミスを防ぐには、複数で行ったほうがいいですか?
A.はい。ただし、ミキシングの過程をわけて行うより最終チェックをふたりで行ったほうがいいでしょう。
Q.アンプルを切るのがうまくできず、落ちこんでしまいます
A.処理速度は慣れもあるので、落ちこむ必要はありません。それよりも丁寧な仕事を心がけましょう。
Q.医師・薬剤師・看護師以外がミキシングを行ってはダメなのですか?
A.はい。忙しいからと無資格者に任せてはいけません。
Q.ミキシングで医療ミスが起きた場合、責任はどこにありますか?
A.大元は病院ですが、いいかげんな作業をした結果ミスが起きた場合はミキシングを行った人の責任が問われることもあるでしょう。
Q.ミキシングが本当に苦手なのですが、どうしたらいいですか?
A.ミキシングは看護師として働いている以上、行わなくてはなりません。何度も行って慣れることも大切です。
まとめ
いかがでしたか? 今回はミキシングについて解説しました。看護師の業務の中では時間がかかり緊張する作業です。また、慣れてくると気のゆるみからミスをしやすいので、定期的に申し送りなどでミス予防の呼びかけ等をすることも大切でしょう。