看護師と准看護師の違いは?

看護師と准看護師の違いは? 正看護師になるためのポイントも解説

元看護師のゆかり

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看護師と准看護師は、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。正看護師に比べて資格が取得しやすい准看護師ですが、キャリアアップを目指す方にとっては不利になってしまうこともあります。看護師としての目的をハッキリと明確にした後、看護師と准看護師どちらのほうが自分に合っているのか判断することが大切です。本記事では、看護師と准看護師の違いについて解説します。

  1. 正看護師と准看護師の違いは?
  2. 准看護師と看護師を一本化する議論も!?
  3. 准看護師から正看護師になるには?
  4. 看護師と准看護師に関してよくある質問

この記事を読むことで、正看護師と准看護師の具体的な違いが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.正看護師と准看護師の違いは?

正看護師と准看護師の主な違いは、どのようなところにあるのでしょうか。

1-1.主な違いは「資格」にある

ほぼ同じ内容の業務をこなしていても、正看護師と准看護師では持っている資格に大きな違いがあります。正看護師が持っている看護師資格は、国家試験に合格して始めて取得できる国家資格ですが、准看護師が持っているのは都道府県が認可した知事試験に合格して得られる免許です。国が行っている試験か、都道府県が実施している試験に合格するかで大きな違いがあります。この違いはとても大きいものなので、キャリアアップにも左右されるのです。

1-2.業務内容にも制限がある

正看護師と准看護師の業務内容はほぼ同じですが、少し違いがあります。どちらかと言うと、国家資格である正看護師のほうが幅広い業務を行うことができるのです。あくまで准看護師は、正看護師や医師の補助をするための資格という位置づけとなります。つまり、准看護師は正看護師や医師のもとでなければ業務を行うことができません。だからこそ、准看護師は正看護師よりもキャリアアップが難しいと言われているのです。

1-3.年収の差が約70万円もある

業務の内容に差があるということは、給与にも差が生まれるということです。正看護師は准看護師よりも責任のある立場で働くため、年収もそれだけ大きくなります。あくまで目安ですが、正看護師の平均年収は約480万円に対し、准看護師の平均年収は約410万円です。同じ勤務時間で働いているのに、年間で約70万円もの差が生まれることになります。

1-4.キャリアアップに差が生まれる

前述したように、正看護師と准看護師にはキャリアアップの面で大きな差が生まれることになります。特に、将来、看護師長などの管理職を目指している方は、正看護師になるのが必須という職場も多いのです。看護大学をしっかり出て、正看護師の資格を取得している人が管理職に就くというルートが出来上がっています。ただし、准看護師は正看護師への指示ができないため、小さなクリニックだとしても管理職に就くことができません。まとめる立場で働きたい・管理職を目指したい・キャリアアップを目指したいという方は、正看護師になることが必要だという点を覚えておきましょう。

1-5.募集先や働きやすさにも違いがある

正看護師と准看護師では、募集先や働きやすさにも違いがあります。雇い主にとって准看護師は正看護師よりも安い賃金で雇えるというメリットがある分、個人の病院や小さなクリニック・診療所での募集がほとんどです。一方、正看護師は高い看護基準を目指している大学病院や高度な医療技術と緊急時の対応が求められる総合病院などで採用される可能性があります。そのような病院で准看護師の採用は限られているのが現実です。
また、医療の仕事はある程度の稼ぎが期待できるため、シングルマザーや育児を終えた後の主婦にも人気があります。准看護師は短い期間で取得できることから共働きや忙しい主婦に人気で、家庭と両立しやすいメリットがあるのです。

2.准看護師と看護師を一本化する議論も!?

現在、准看護師と看護師を一本化するという議論が展開されています。具体的にどのような内容なのか解説しましょう。

2-1.准看護師が導入された目的は看護師を増やすため

一本化する議論について説明する前に、まずは准看護師が導入された目的を知ることが大切です。もともと、准看護師が導入されたのは看護師が非常に不足していた第二次世界大戦後でした。看護師の数を増やすために導入されたのが准看護師ですが、それから60年以上が経過し、今の教育水準と当時の教育基準で定められた資格要件に大きなズレが発生しています。医療分野は常に日々進化しており、技術も向上しているため、教育水準のズレは大問題です。

2-2.教育水準の統一と看護職の地位向上のため

正看護師と准看護師を一本化する大きな理由は、ズレが発生した教育水準を統一すること・看護職の地位向上のためです。准看護師の業務内容にも制限があるため、やることが限られてしまいます。もともと、看護師の数を増やすことが准看護師の制度を作った目的なので、看護師と同じ業務を行ったほうが目的に近くなるのです。そのような理由もあり、将来的には准看護師資格は正看護師資格へと一本化され、廃止される可能性も考えられるでしょう。

2-3.働きながら看護師を目指す准看護師の支援が高まっている

正看護師と准看護師では、何かと違いがあるので厚労省や看護職能団体・日本看護協会でも一本化の動きが高まっています。その証拠として、働きながら看護師を目指す准看護師の支援制度も整い始めているのです。たとえば、通信制の看護師学校養成所の入学条件が今まで10年以上でしたが、7年以上の看護経験に短縮されました。今後も、さまざまな支援や対策がなされるでしょう。

2-4.少子高齢化がすすんでいる現在の日本

現在の日本は、少子高齢化が大きな問題となっています。高度成長期にバリバリ働いていた団塊世代が高齢者になる時期を迎えようとしており、高齢者が増えると看護師の数も比例して増えなければ対処しきれなくなるのです。少子高齢化が進行しているからこそ、将来のために看護師の数を増やす目的で一本化が推奨されつつあります。日本が抱えている問題や現状も、准看護師と正看護師の一本化に大きく関係しているのです。

3.准看護師から正看護師になるには?

では、准看護師から正看護師になるためには、どのような過程を踏めばいいのでしょうか。

3-1.まずは准看護師の資格を取得しよう

まずは、准看護師の資格を取得する必要があります。准看護師の資格を取得するためには、准看護師養成所または看護学校に入学し、看護学習を行わなければなりません。ほとんどの学校では、中学を卒業していれば入学できます。入試レベルも中卒程度です。そして、入学後に都道府県が実施する准看護師の試験を受験し、合格すれば免許申請手続き終了後に資格が取得できるという流れとなります。基本的に、准看護師の養成所では履修と実習で2年間の教育を受けることになるでしょう。准看護師の資格取得までの大まかな流れを以下にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

  1. 准看護学校の入学試験を受ける
  2. 入学後、学校で2年間学ぶ
  3. 准看護師試験を受け、都道府県知事から免許を取得する

3-2.看護短大もしくは看護師専門学校などで学ぶ

准看護師の資格を取得したら、次は看護短大もしくは専門学校などで正看護師としての知識を身につけることになります。看護専門学校に入学するためには、准看護師としての実務経験が役立つので、実際の現場を経験したほうがいいでしょう。そして、看護師の学校で2年間(定時制は3年)学ぶことになります。卒業し必要な知識を身につけた人に、国家試験の受験資格が得られるのです。つまり、国家試験の試験を受けるためには、専門学校での学びが必要となります。独学では国家試験の受験資格を得ることができないので注意してください。

3-3.国家試験に合格する

看護の専門学校では授業のスクーリングや実習をクリアしなければなりません。そして、その後には国家試験が控えています。決して道のりは簡単ではありませんが、きちんと過程をクリアしていけば国家試験の合格も近くのです。看護師としてのキャリアアップには必要不可欠な道のりなので、正看護師に挑戦する人もたくさんいます。自分には無理、できないからと諦める必要はありません。

3-4.働きながらでも正看護師を目指すことができる

正直、年齢を重ねるほど正看護師を目指すのが困難になります。けれども、実際に働きながら正看護師の国家資格を取得した方もいるのです。経験がなくても医療現場で准看護師として勤務をしながら学校に通い、資格取得を目指すことができるでしょう。看護学校の中には定時制(ただし3年間)もあるので仕事と両立しやすくなります。昼間のコースだけでも夜間のコースもありますが、実習期間中は夜間でも朝から夕方まで拘束されるため、注意しなければなりません。自分の働くペースに合った授業期間を選び、国家資格の取得を目指しましょう。

4.看護師と准看護師に関してよくある質問

看護師と准看護師に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.准看護師はどんな人が働いているの?
A.家庭と両立したい人が准看護師として働いている傾向があります。准看護師の資格を取得していれば、非常勤での勤務ができるようになるのです。正看護師のように管理職に就いたり出世を望んだりできない代わりに、自分の都合で仕事ができるのが大きなメリットと言えるでしょう。そのため、家庭や自分の時間を大切にしている人が准看護師として働いているケースが多いのです。

Q.看護助手(補助)とは?
A.正看護師と准看護師のほかに看護助手という役職がありますが、看護助手または看護補助は資格が必要な仕事ではありません。基本的に、資格を取得しなくても働くことができます。ただし、仕事内容はあくまで看護師のサポートです。つまり、看護師ができる医療行為以外の仕事を担当することになり、病院によっては直接患者には触れない仕事を担当することもあります。雇用形態は正社員ではなく、パートやアルバイトという形になるでしょう。

Q.最終学歴によって資格取得が左右されるのは本当?
A.准看護師の場合、最終学歴によって正看護師を取得ルートが異なります。たとえば、高卒者の場合は看護短期大学に2年学ぶことになりますが、中卒者の場合は3年以上の実務経験をした上で看護専門学校で2年学ばなければなりません。中卒でない場合は、准看護師として7年以上の実務経験を経てから看護師学校養成所で2年の過程を行う必要があります。

Q.准看護師としての実績をつける場にふさわしい職場環境は?
A.正看護師を目指す人のサポートを行っている職場がおすすめです。看護師の育成に力を入れているところならサポート体制が整っているため、ほかの職場よりも勉強と仕事の両立がしやすくなります。また、講習会や先輩・後輩との関係も良い傾向があるため、看護師の資格取得に必要な知識と実績を積み重ねることができるでしょう。

Q.社会人から勉強を始めるコツは?
A.看護学校の入試から始まることになるため、まずは勉強計画を立ててください。4月から学校に通う場合は、大まかなスケジュールを組むといいでしょう。特に、以前、看護とは関係ない場所で働いていた方は未経験の分野を学ぶことになるので緻密な計画が大切なポイントです。なお、看護師の国家試験には出題傾向があり、知識を学んだ上で過去問に挑戦するといいでしょう。仕事をしながら試験合格を目指す際は時間が限られるため、すき間時間を活用してください。通学時間や休憩時間などのすき間時間を活用することで、社会人でもスケジュールどおりに勉強を続けられるようになるでしょう。

まとめ

看護師と准看護師の大きな違いは、持っている資格・仕事内容・キャリアアップ・年収などさまざまです。若い人が取得するなら、キャリアアップを目指すことができる正看護師を取得したほうがいいでしょう。いずれは、准看護師と正看護師を一本化しようと国全体が働きかけていますが、それでも違いはあります。家事や育児が大変で家庭と両立したい方は准看護師のほうがいいでしょう。しかし、管理職に就きたい思いがある方は正看護師になるために、国家資格を取得する必要があります。

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