保健師と看護師って何が違うの? 仕事内容や給料の違いを知ろう!
看護師はもちろん人気ですが、保健師もまた人気のある資格です。看護師として活躍している人の中にも、保健師に興味を持つ方が増えてきています。しかし、保健師が実際にどのような仕事をしているのかや資格を得ることのメリット、転職先の候補に何があるかなど、分からない部分も多いことでしょう。
そこで、今回は保健師がどのような資格で、具体的に看護師とどのような違いがあるのかを解説します。
- 保健師と看護師の資格の違いとは?
- 保健師と看護師の仕事内容の違いは?
- 看護師が保健師資格を取るメリットは?
- 保健師資格の取得方法
- 看護師と保健師の資格に関するQ&A
この記事を読むことで保健師と看護師それぞれの資格について学べます。また、看護師が保健師資格を取得することのメリットや、転職先の候補などについてもご紹介するのでお見逃しなく!
1.保健師と看護師の資格の違いとは?
まずは保健師資格と看護師資格の基礎知識と、それぞれの違いについてご紹介します。
1-1.保健師資格とは
保健師は在宅介護支援や育児支援などを行う、地域密着型の健康管理アドバイザーです。看護師ほど直接的にケガや病気を治す手助けはできませんが、その代わりに広く長期的な影響を地域全体に与えることができます。
1-2.看護師資格とは
看護師は診察・治療の補助・療養上のケア・患者の健康保持・健康増進などにかかわるスペシャリストです。高齢化社会に伴う患者の増加により、近年、看護師の数が不足しており、資格者を増やすことが課題となっています。
1-3.保健師と看護師の違い
両資格の違いを分かりやすく説明すると、保健師は「地域住民がケガや病気をしないように予防する仕事」で、看護師は「ケガや病気をしてしまった人たちを助ける仕事」です。どちらが偉いとか重要だとかいうことはなく、どちらもが地域に大きな役割を果たしています。
2.保健師と看護師の仕事内容の違いは?
次は保健師と看護師の仕事内容の違いをご紹介します。自分がどちらの仕事をしたいかをしっかりと把握しましょう。
2-1.保健師の仕事内容
保健師は地域住民の乳幼児から高齢者まで、幅広い年代の健康管理・保健指導を行います。また、感染症の流行(りゅうこう)時や災害時の対応も重要な仕事です。さらに、虐待が疑われる家や認知症患者・高齢者の家を訪問して相談に乗ったりもします。企業・行政・医療施設など、あらゆる場所で活躍できる資格です。
2-2.看護師の仕事内容
看護師は医師の診断・診療計画にもとづいて、診療・治療の補助を行うのが主な仕事です。病気・ケガなどが原因で不自由な生活を送る方に対して看護を行うこともあります。また、医師や看護師を含めた医療スタッフ全体と患者とのコミュニケーションを円滑にしたり、患者の相談に向き合い心のケアをしたりするのも大切な仕事です。
3.看護師が保健師資格を取るメリットは?
この項では看護師が保健師資格を取ることでどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
3-1.働き方の選択肢が広がる
看護師と保健師、どちらの仕事にも就くことができますので、選択肢が大きく広がります。また、看護師は事故などで身体障害を負うと仕事を続けることができなくなりますが、保健師であれば勤め先にもよりますが続けることが可能です。将来の保険のために保健師資格を取得しておくというのも一つの手でしょう。
3-2.臨床経験が生かせる
臨床経験がない保健師は具体的なアドバイスができない上、人気が非常に高い職業なので新卒で採用してもらうことは非常に大変です。しかし、看護師であればある程度の臨床知識や経験を有しているため、新卒の保健師よりも有利になります。さらに、何か不測の事態が起きたときに看護師資格を持っている人材がいれば安心だと考える企業や学校なども多いので、看護師資格を持つ保健師の需要は高いと言えるでしょう。目安としては3年程度の看護師としての実務経験があれば、保健師として就職する際に有利になります。
3-3.将来性が高い
看護師は昇給ペースが遅いことで知られていますが、保健師は安定したペースで昇給します。生涯賃金で考えると、保健師のほうが高くなるケースも珍しくはありません。
4.保健師資格の取得方法
次は保健師資格を取得するために押さえておきたい基礎知識をご紹介します。
4-1.受験資格
保健師の受験資格は以下のどちらかを満たしていることが必要となります。
- 看護師養成施設を卒業、かつ文部科学大臣または都道府県知事が指定する保健師養成施設において1年間の修学
- 保健師・看護師統合カリキュラムを行っている看護学校で4年間の修学
4-2.保健師・看護師統合カリキュラムとは?
通常の看護学校では保健師資格は少人数の選抜制です。しかし、一部の統合カリキュラムを採用している学校では、生徒全員が看護師・保健師の両方の受験資格が得ることができます。
4-3.資格の取得方法
受験資格を有した状態で保健師国家試験を受け、合格すると免許が与えられます。
5.看護師と保健師の資格に関するQ&A
最後に看護師と保健師の資格に関してよく寄せられる質問と、その回答をご紹介します。
Q.保健師国家試験の難易度はどのぐらいですか?
A.保健師国家試験の難易度はさほど高くなく、合格率は80%前半~90%後半を推移しています。この合格率は看護師国家試験とほとんど変わりません。
Q.保健師の転職先にはどのような場所があるのでしょうか?
A.保健師の半数以上は、保健所や保健センターなどで行政保健師として働いています。そのほか、産業保健師・病院保健師、学校保健師などとして働くこともできるでしょう。産業保健師は企業の医務室や健康保険組合などで働く保健師です。病院保健師は病院内や訪問介護ステーションなどで働く保健師のことを指します。学校保健師は専門学校・大学の保健室や一部の私立の小学校・中学校・高校などで働く保健師です。ちなみに、公立校のいわゆる「保健室の先生」は保健師資格のほかに教員免許も必要となります。
Q.保健師資格と看護師資格はどちらが人気ですか?
A.どちらも人気ですが、保健師資格のほうが人気が高い傾向にあります。
Q.保健師国家試験は各都道府県で行われるのでしょうか?
A.試験会場は一般的に次の都道府県で行われます。北海道・青森県・宮城県・東京都・愛知県・石川県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県。
Q.行政保健師は公務員ですか?
A.行政保健師は公務員として扱われます。土日祝日が休みで就業時間もきっちりしているので働きやすく人気です。
まとめ
今回は看護師資格と保健師資格について詳しく解説してきました。激務で知られる看護師に比べて保健師は働きやすいため、看護師から保健師に転職する方も珍しくはありません。看護師資格を持つ保健師は需要が高いので、ぜひ保健師資格の取得を検討してみてくださいね。