車椅子の介助方法と注意点

知っておきたい車椅子の介助方法と注意点

元看護師のゆかり

【執筆者プロフィール】

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患者さんを診察室に運んだり、移動したりするときに欠かせない介助アイテムが“車椅子”です。
車椅子の操作は看護師学校だけでなく、中学校や高校でも授業の一環として体験することがあります。
看護師になると扱う機会が多くなるので車椅子の操作についての知識はかかせません。
キャリアアップのためにも車椅子の介助方法や注意点について知っておきましょう。

ベッドから車椅子に乗せるとき

利用者をベッドから車椅子に乗せるときの基本的な方法は次の通りになります。
まず、寝ている対象者の体を起こし、床に足がつくまで車椅子の近くまで体を引き寄せます。
足をベッドからたらしておくと移動がスムーズにできるのでたらしておきましょう。
対象者の手が自分の肩にかけられるように体制を低くし、対象者の腰まわりに手をまわして体重を支えてあげます。
上手に重心を使いながら対象者の体を車椅子にまでもっていきましょう。
ここでのポイントはできるだけ対象者の体に近づけるようにすることです。
離れている分だけ体重がかかりにくくなり、対象者も看護師もキツイ体制になってしまいます。
手すりがあるのであれば手すりを上手に利用してください。
対象者の体が完全に車椅子にのるまで支えてあげてください。
どすんっとのることがないように注意しましょう。

さまざまな場面での介助方法

車椅子で移動するときは坂道が急になっているところ、電車・エレベーター・でこぼこ道・穴ぼこ道とさまざまな場面があります。
平面な道であれば心配することはありませんが、さまざまな場面を想定した介助方法を知っておくと非常に便利です。
坂道が急になっているところは、上るときと下るときでポイントが違います。
坂道を上るときのポイントはまっすぐ進むのではなく、S字のように進んでいくと上りやすいです。
下るときは車椅子を自分の体の後ろにもってきて背中から下っていきましょう。
でこぼこしていて進みにくい道の場合は、キャスターとハンドルを上手に利用していきます。
できるだけ前輪のキャスターを浮かせて衝撃が対象者に伝わらないようにハンドルを操作していきましょう。
穴ぼこ道はキャスターが挟まってしまう可能性があるので、そのような場所を避けながら進んでいかなければなりません。
車椅子についている部位を上手に使いながら介助していきましょう。

車椅子での介助注意点

介助方法だけでなく、注意点についてもぜひ知っておいてください。
例えば、歩道を車椅子で進んでいくときです。歩道には車が進入するためのスロープがついているところがあります。
スロープがあるときはバランス良く車椅子で進んでいかなければなりません。
車椅子が傾いてしまい、そのままバランスを崩し対象者が車椅子ごと倒れてしまうこともあります。
また、車椅子だけでなく、対象者そのものに対する介助の注意点もあります。
日差しが強い日に車椅子で外出するときは「水分補給」と「日射病」にだけは気をつけておかなければなりません。
こまめに水分補給を摂取するためにペットボトルをもっていく、外出するときは日差しをカットするための帽子をかぶるなど工夫をしてください。

まとめ

車椅子の介助方法はさまざまな場面でポイントが違います。
電車に乗るとき、エレベーターを使うとき、坂道を利用するとき、でこぼこ道を進むときなどそれぞれのシーンによって注意しておきたい介助方法を身につけておきましょう。

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