入浴介助をおこなうときの3つの注意点
看護師として働いているとさまざまな経験をすることになります。
患者さんの身の回りのお世話もありますし、看護師の経験を活かして介護職に移動する人も少なくありません。
そこで重要となってくるのが“入浴介助”です。
入院中の患者さんや老人ホームで暮らしている高齢者の入浴を手助けする仕事内容となっていますが、入浴を手助けするためには力が案外必要とされます。
体力勝負となる入浴介助。スムーズにおこなっていくためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
入浴介助でぜひ気をつけておきたい注意点について考えていきたいと思います。
入浴前はバイタルチェックを行うこと
当たり前となっていますが、入浴前には必ずバイタルチェックをしておかなければなりません。
患者・利用者がお風呂に入っても良い状態かどうか看護師の確認が必要となります。
その日によって人の状態は違いますし、血圧が高い・低いときもあるでしょう。
お風呂に浸かったり、シャワーをかけたりすると体の温度が上がります。
急にあがるとめまいを起こしてしまう可能性もあるため、バイタルチェックをおこない、正常かどうか判断しなければならないでしょう。入浴介助としてのサービスがありますが、基本は看護師1人と介護者2人の3人体制でおこないます。
その場での看護師の役割はバイタルチェックが主になるでしょう。
入浴するとき、利用者に異常がないかどうか、トラブルが起きた場合の対処法など心得ておかなければ勤まりません。
脱水症状に要注意
介護者・看護師も気をつけておかなければならないことが“脱水症状”です。
お風呂場とフロアが離れているとなかなか水分補給ができませんし、温度差もあります。
上手に水分を摂取していかなければ体温の調節ができず、体に異常をきたしてしまうので注意しておかなければなりません。
患者・利用者はもちろんのこと、水分補給をこまめにするように薦めていきましょう。
また、介護する側の人間も脱水症状には要注意です。
患者・利用者を1番に考えることはとても大切なことですが、介護する人間が脱水症状で倒れてしまっては意味がありません。
ますます周囲に迷惑がかかってしまいます。
浴槽は温度があがっており、湿度も高いので入浴介助をおこなう前に必ず水分を補給しておいてください。
体を冷やさないようにすること
冬場はとくに気をつけてほしい“体の冷え”。
冷えがどんどん進んでしまうと血液の流れが悪くなり、気分を害することになります。
浴槽と脱衣所は温度差が激しいのでお風呂あがりはできるだけ素早く着替えさせてあげてください。
入浴中もこまめにお湯をかけてあげたり、暖かいタオルで体を冷やさないようにすることが大切です。
基本的に入浴は胸から下まで浴槽に浸かり、シャワーも直接かけるのではなく、足元からじっくり温めていきます。
冷えてしまっている体をゆっくり温めることで体全体の血流が良くなるのです。
体は絶対に冷やさないようにすること、この点には気をつけて入浴介助をおこなってください。
まとめ
入浴介助をおこなうとき、さまざまな注意点がありますがとくに気をつけておいてほしいことは3つあります。
「バイタルチェック」「脱水症状」「体の冷え」です。
バイタルチェックは患者さんの体調を確認し、お風呂に入れるかどうか判断します。
脱水症状は介護する側も気をつけておかなければならないことです。
体を冷やさないように素早く着替えさせることも大切になります。これらのことを注意したうえで入浴介助をおこないましょう。