主婦から看護師になるために必要不可欠な3つのポイント
看護師の資格取得の条件には年齢制限はありません。看護師養成機関で必要な看護教育を学び、看護師国家試験に合格すれば誰でも看護師になれるのです。もちろん専業主婦から看護師に転身することも十分に可能です。
特にここ数年、看護師を目指そうと考える主婦が増えています。看護師なら安定した収入が見込める、看護師資格があれば就職先に困らない等という理由が大きく、実際多くの看護専門学校では高校新卒者だけでな、く30~40代の主婦も学生として多く学んでいます。
しかし、資格と言っても趣味の資格とは違い、人の身体や命に関わるもので知識・実技共に膨大な学習量になります。 主婦が看護師を目指すときに最低限必要な3つのポイントを押さえておきましょう。
経済面 ~学費・生活費の準備~
看護師になる方法は幾つかあります。准看護師・正看護師どちらを選ぶかによって通う学校や通学年数も変わります。正看護師を目指すなら4年間看護科大学や専門学校に通わなくてはなりません。当然、学費もかなりかかりますし、その間の生活費も必要です。家族から借りたり貯金を取り崩す等になるのでしょうが、家計を預かる主婦にとっては大きな出費になることは間違いないです。学校に通うための通学費・教材費など学費以外の諸雑費もかかります。少し余裕をもって費用計画を立てましょう。
シングルマザーの場合は、国の母子家庭自立支援給付事業の一つ「高等技能訓練促進費」が利用できる場合があります。「高等技能訓練促進費」では看護師や保育士・介護士などの資格を取るために勉強する期間、生活費の負担軽減のために月額最大10万円が支給されます。それ以外にも市町村で活用できる制度もありますから、調べてみることをお奨めします。
環境面 ~家族の協力と理解~
経済的なメドがつき学校に通ったとしても、看護学校の実習は想像以上に時間を取られ、家事や育児をしながら勉強を続けるのはかなり大変です。看護学校から帰宅し、家事をこなして夜に勉強するという毎日が3年以上は続くのです。「子供の行事より学校」をとらなくてはならない事もあります。家族の協力は不可欠で、看護師を目指すことを家族に理解をしてもらう事が基本になるのです。
家族の形態もそれぞれですから、子供の年齢・ご両親の援助の有無・ご主人の仕事などによっても勉強を継続できるかどうかが変わってきますし、必ずどこかにしわ寄せが出てきます。子供さんがまだ幼児だという場合は特に家族の完全なフォロー体制がないと難しいでしょう。
家庭と勉強のバランスを上手に取りながら、今日は家族の日・今日は看護学校の日と決めて生活のリズムを作りましょう。
精神面 ~やり遂げるタフさ~
看護師学校に通う様になったら今までの主婦の生活のペースとは全く異なり、学校では10代の学生さんと一緒に勉強することになります。10代の頃に比べたら確実に体力も記憶力も低下しており、1度では覚えられない事も多いでしょう。「テキストを何度読んでも頭に入らない」「実技を何回やっても上手にできない」と悩み挫折してしまう人もいます。
しかし、制限された時間の中で初めての事にチャレンジするのです。若い人と比べて落ち込むよりは、制限ある時間をどう使いどうやるか、若い人を観察し自分の生活を工夫しながら、課題や実習をこなしていくしかないのです。何より「やり遂げる」という強い意志が必要です。 看護師の仕事自体、強靱な体力と精神力・集中力を要します。看護学生の非ではありません。覚悟をもって臨んでください。
主婦から看護師になるには上記の3つのポイントのどれが足りなくてもうまくはいきません。 しかし、やる気と努力があれば受け入れ口はあり、新しい道が開ける可能性は充分にあるのです。