美容への好奇心がポイント。好条件が人気の美容外科でのお仕事
女性雑誌や電車内でよく見かける美容外科系クリニックの広告。
特に近年、幅広い層の女性達の間ではアンチエイジングやプチ整形がブームとなり、美容整形をテーマにしたテレビ番組の影響などもあり、美容外科の需要はかなり膨らんでいます。
美容外科で働く看護師の仕事内容とは
整形外科が怪我や病気などによって変形してしまった器官を手術などの方法を用いて治療・機能回復することを目的とした診療科目であるのに対し、美容外科は顔や体の美容を目的とした外科治療を施す診療科目で、健康な人がより美しくなるために容姿や状態を整えるために行われるのです。
美容外科でも大がかりな手術もあり全身麻酔を使うものも多く、中には命に関わるトラブルもありますが、他の診療科目と比べると命に関わる緊迫性という面ではやや希薄な面もあるかもしれません。
美容外科で働く看護師の仕事は、病気や怪我などの患者さんに対する看護とは全く異なります。病棟看護師の日常業務である排泄・入浴介助や体位交換など肉体的に負担がかかる業務はほとんどありません。
美容外科での主な仕事としては、施術に関する説明・脱毛、レーザーなどの施術の手伝い・手術の介助・術後のケア・受付け・カウンセリングなどが挙げられます。その他、診察室等の清掃、物品・薬品などの補充と点検、手術の準備や片付け(器具・機器の洗浄や殺菌)なども含まれます。
美容外科で求められる看護師とは
美容外科が求める人材としては、外科の経験がある・手術室や産科の勤務経験がある・臨床経験があるという条件を提示しているクリニックが多いようです。注射や点滴、採血などの処置は必ずあるので、看護師としての基本的な知識や技術はもちろんのこと、ある程度の臨床経験(2~3年程度)が必要です。
他の診療科と大きく違う点としては、来院する患者さんは病気治療ではなく、より高い技術とサービスを求めて来ており、保険適用外の自由診療を受ける、どちらかといえばお客様的な意識が高く、看護師の接し方もサービス業的な接遇が求められます。
また患者さんの方が看護師よりも最新の美容情報に詳しい方も多く、看護師自身も美容に関する最新知識や技術を吸収していく熱心さも必要になります。
残業夜勤なしで高年収比較的恵まれた待遇条件
雇用条件はクリニックの規模・特性によってそれぞれ違いますので一概には言えませんが、給与等の労働条件は他の診療科に比べて比較的に恵まれています。
美容整形が保険適用外の診療のため、クリニックによっては「月の売上目標」などを設定しており、目標数値が達成されればスタッフに対して報奨金が支給される「奨励金制度」などもあり、このような基本給以外の諸手当がつくことにより給料が高くなる傾向があるわけです。一般的な夜勤がある病院で働く看護師に比べても美容外科の看護師の方が年収が高くなる場合も多いようです。
また、日勤、残業が少ないというクリニックも多いのが傾向で、夜勤や残業は避けたいという看護師にはぴったりでしょう。 しかし、患者さんが来院しやすい土日や休日、大型連休などは休めない事が多いようです。
若さと容姿年齢や美意識の高さも雇用条件のひとつ
その他の条件として、具体的な年齢制限があったり、看護師としてのスキル以外に容姿や身だしなみを重要視するところも多く存在しています。患者さんに「美」を提供するクリニックだからこそ、美容についての意識や関心が高い看護師を求める傾向にあるようです。なかには「施術契約のノルマ」が設けられているところもありますので、しっかりと確認することが必要です。
一方、 一般の看護業務とは異なる美容外科で働くデメリットとしては、「看護技術や知識が上がらない」「臨床経験としてはカウントされない」などが挙げられ、「一般病棟に戻れるのか」との心配も大きいようです。
美容外科の看護の仕事は一般病棟の仕事とは違いますが、コンプレックスや不安を抱いている患者さんの緊張を解いて本音を引き出したり、悩みを共感したりという精神的なケアを行うという点では一般病棟の看護にも通じる事です。患者さんが美しくなって自信に溢れた姿を見る事に喜びを感じる看護師もいます。
美容に関する医療の評価が低いという時代ではなくなっていますし、その技術力が悩める人を幸せにするという認識も浸透しています。看護師の転職先として人気の美容外科ですが、それぞれのクリニックの経営方針なども予めきちんとチェックしておきましょう。