看護師が辞めるタイミングはいつが最適? 避けたほうが良い時期は?
看護師はやりがいがある分、心身ともに負担が重い仕事です。また、再就職が比較的簡単なことから、転職する人も多いでしょう。そこで問題になってくるのが現在の職場を辞めるタイミングです。いったいどうすれば円満退職できるでしょうか?
今回は看護師が円満に退職する方法をご紹介します。たとえ正当な退職の理由があっても、辞めるタイミングが悪いと職場に迷惑をかけてしまいます。では、いったいどうすれば皆に惜しまれつつ円満に退職できるのでしょうか? 転職のために職場に辞表を出すタイミングを計っているという方や、転職を考えている看護師の方はぜひ読んでみてくださいね。
- 引き留めに合いやすい看護師や時期は?
- 円満に退職するにはどうしたらよいのか?
- 退職願の書き方はどうすればいいの?
1.引き留めに合いやすい看護師や時期は?
この項では、退職を申し出ても素直に了承してもらえないケースをご紹介します。退職は労働者の権利ですが、職場としても辞められては困るというタイミングや人もいるでしょう。こんな時期に辞表を出してはいけないという参考にしてください。
1-1.勤続5年以上の看護師は引き留めに合いやすい
同じ職場に5年以上勤めている看護師は、本人も周りからも「ベテラン」と認識されやすいです。トップを補佐し、新人を教育する「中堅」としての活躍も期待されているでしょう。そんな人が退職してしまうと、トップは補佐役がいなくなり、新人は頼れる先輩がいなくなるということで職場全体が打撃を受けやすいのです。ですから、たとえ正当な理由があったとしてもあの手この手で引き止められやすいでしょう。
1-2.退職者や休職者が相次いだときは引き留めに合いやすい
タイミングによっては、職場で退職者や休職者が続いてしまうこともあります。誰が悪いわけでもありませんが、このようなときに「自分も……」と退職を切りだすとかなりきつい言葉をかけられる可能性もあります。
1-3.年度末は退職しにくい?
年度末である3月末は、きりがよいということで退職者が増えやすい時期です。しかしその反面仕事の締めくくりの時期ということで、何かとイレギュラーな仕事が入りやすい時期でもあります。つまり、職場全体が泡だたしくなりがちです。特に大学病院など学校にかかわりのある病院はその傾向が強いでしょう。このようなタイミングに「退職したいんですけれど」と話を持っていったら「この忙しい時に」と思われることも少なくありません。
2.円満に退職するにはどうしたらよいのか?
もちろん、いくら引き止められようときつい言葉をかけられようと退職は労働者の権利です。正当な手続きを踏めば退職は可能でしょう。しかしできれば職場の仲間と惜しまれつつも穏やかにお別れしたいと思う方は多いと思います。そこで、この項では円満に退職しやすい方法をご紹介します。
2-1.自分では改善できない退職の理由を作る
看護師が退職を決意する理由はいろいろあります。しかし、「退職をしないで」と引き留められている場合は、職場環境や給料の額を理由に退職を申し出ると「改善するから辞めないで」と言われる可能性も高いでしょう。
そこで
- 結婚をきっかけに遠くに引っ越すことになったので通勤が不可能になった
- 育児や介護などで勤務が難しくなった
- ドクターストップがかかった
といった自分の努力では改善できない退職の理由を作ると、円満に退職しやすいです。ただし、だからといって虚偽の理由を作ってはいけません。ウソはいつかばれるものですし、退職前にばれてしまった場合はトラブルになるかもしれません。
2-2.退職願いは早いもの勝ち?
経営者などの不満があり、職員が一致団結して辞表を出すという事例もありますが、基本的に退職願が受理されるかどうかは早いもの勝ちという職場は多いでしょう。ですから「この日までに退職したい」と思っている人はできるだけ早く職場の上層部に退職の相談をしましょう。法的には、退職をする際には2週間前までに職場に報告しなければならないと定められていますが、それより早い分には問題ありません。
看護師の場合は、翌月のシフトが出る前に退職を申し出るとみなに迷惑がかかりにくいでしょう。
2-3.何かと忙しい時期の退職は避ける
数年間のキャリアがある看護師なら、職場の忙しい時期は把握できているはずです。ですから、退職する際はその時期を避けましょう。転職活動をする場合はその時期の前か後に退職できるように逆算して始めるとスムーズに行きます。
また、退職する前にできる限りの引継ぎをしておくと、職場の人たちも安心できるでしょう。あまり退職することをを大げさにしたくないという人もいるでしょうが、後輩や先輩、さらに同僚に全く知られずに退職することは不可能です。
3.退職願の書き方はどうすればいいの?
退職につきものなのが、「退職願」や「退職届」です。この2つの違いは何でしょうか?
職場によっては、「退職をする場合は、このような届け出の書類をこのような書式で書くこと」と決まっているところもあるでしょう。でも法的に見ると「退職願」は撤回できますが、「退職届」は撤回できません。つまり、「退職届」が受理されてしまえばたとえ条件が変わって撤回しようと思ってもできないのです。ですから、「もしかしたら退職せずに済むかも」という可能性があり、「退職願か退職届の書類を作成して提出してください」と言われた場合は「退職願」を提出しましょう。
また、「辞表」とどこが違うのか?と思う方もいると思います。「辞表」とは、本来取締役などの会社の上層部が退職を願い出る際の書類なのです。ですから、一般の職員が退職を願う際に「辞表」をかくのは本来は間違っているのですね。しかし、テレビドラマなどで「辞表」を出すシーンが多数放送されたからか、退職願や届=辞表と思っている方も少なくないでしょう。看護師の場合は、退職願や届が一般的です。
退職願には
- 氏名
- 退職理由
- 退職年月日
を記入しますが、退職理由については「一身上の都合により」だけで構いません。
また、退職願を提出する前にきちんと上司に退職したい旨を伝え、了承してもらってください。ドラマのようにある日いきなり退職願を突き付けても受理してもらえませんので注意しましょう。書き方については「退職届 書き方」とインターネットを検索すれば文例がでてきます。病院によっては書式が決まっている場合もあるでしょう。
おわりに
今回は看護師が円満に退職するためのタイミングや、方法をご紹介しました。
まとめると
- 円満に退職するためには、自分の意志ではどうにもならない理由をつけると効果的
- 忙しい時期の退職はできるだけ避ける
- 退職は早い者勝ちの一面があるので、退職したい日付が決まっている場合は早めに連絡する
ということです。
看護師が慢性的に不足しているという病院は多いですから、その職場に長く務めているほど、引き止められる可能性は高いでしょう。しかし、前述しましたが退職は労働者の権利でもあります。よほど無茶な辞め方をしない限り、退職願を提出したら職場は受理する義務があります。直属の上司が退職願を受理してくれない場合は、その上層部に相談をするなどしましょう。
また、退職前はなかなかバタバタとしがちですが、引継ぎを忘れてはいけません。特に自分が受け持っている患者の状態はできる限り正確に伝えておきましょう。