何歳まで現役で働ける? 看護師の定年退職はいつ?
『定年』とは就業規則や法規等により職員や従業員がある年齢に達した時に退職することをいい、現在では60歳定年と規定されているケースが多くなっていますが、年金の支給開始年齢の段階的な引き上げに対応した『高年齢者雇用安定法』によって60歳の定年後も希望者全員の雇用が企業に義務付けられ、2025年には定年が65歳に延長されることになっています。
- 看護師の定年退職年齢は?
- 定年後も働ける生涯現役看護師が増えている
1.看護師の定年退職年齢は?
よく「看護師には定年がない」と言われますが、実際はどうなのでしょう。 看護師の定年退職の年齢を見てみると、国公立病院の場合は公務員の定年制度に準じた年齢(60歳前後)?、民間病院の場合は就業規則に定められた年齢(60~65歳)?なお、民間病院の場合は法人(企業)で定められた就業規則があれば、その定めるところの年齢に達すると看護師も定年退職となります。
民間病院の定年は60~65歳、国立・公立病院の場合は公務員の定年制度に準じて60歳というのが一般的ですが、その後も再雇用などの制度で引き続き働くことができるケースも多く見られます。病院側から見れば技術も経験も豊富で勝手がわかっている看護師は定年を過ぎたとしても大きな戦力には変わりありません。
人手不足の病院などでは、一旦病院を退職して嘱託として仕事を続けるという方法を採っている病院もあります。「嘱託」というのは正規の職員としてではなく雇用側が看護師に業務を委嘱して働いてもらう事で、給与などの待遇面で定年前とは差が出てきます。
2.定年後も働ける生涯現役看護師が増えている
他の職種では定年後に再就職先を見つけるのはなかなか難しい様ですが、看護師の場合は職場によって年齢制限も異なりますし、何より経験と技術が重視される職業であるため定年まで勤め上げた経験が認められ、再就職の求人にも困りません。 特に最近では定年後の看護師を積極的に募集している病院や施設も増えています。看護師の求人サイトや看護協会の募集などでも「定年退職後の看護師求人」は増えています。
とはいっても、ある程度の年齢になると若い頃に比べて体力も集中力も落ちてくるのは否めません。看護師の職業病ともいえる腰痛や腱鞘炎などを患っていることもありますし、夜勤や体位交換が必要な病棟などでの勤務は大変になってきます。また、最新機器の使用法を新たに覚えるのに時間がかかる様にもなります。
定年後の再雇用の場合、勤務時間や働く場所、仕事の内容に関しても無理がないようにしていくことが必要ですし、それぞれの経験や年齢に合わせて勤務条件などを工夫して働きやすい環境作りをウリにしている病院も多くなっています。?また、最近では看護から介護業界に進み、介護施設を立ち上げるというような例もあります。
そのほか新人看護師では難しいターミナルケア(終末医療)の仕事をしている人など、看護師として臨床現場で蓄積した経験を、社会のため人のために貢献し続けている生涯現役看護師が増えています。
今後ますます看護師不足が続く中、定年退職の年齢に達した看護師であっても同じ職場で継続して働けたり、新たな職場に転職して働くことができる環境が整備されてくるでしょう。看護師は定年年齢にこだわらず、その資格を活かして自分の体が動く限り納得いく年齢まで働ける職業なのです。