自己否定につながることも・・・!?看護師の『インシデント』経験
仕事上でミスをしない人はいません。どんな仕事でも日々の業務では大小問わず『インシデント』『アクシデント』はつきものなのです。
医療機関における『インシデント』は、医療従事者が医療行為上で何らかのミスを犯してしまったけど患者さんの心身に直接の影響が出なかった事象をいい、医療行為上のミスによって患者さんに実害を及ぼし検査や処置が必要となってしまった事故を『アクシデント』といいます。
ベテラン看護師であっても『インシデント』はありますし、新人看護師ならなおさらです。人命に関わる医薬品や複雑な医療機器を扱ったり、それぞれ違う患者さんの症状に迅速に対応しなければならない業務を行っているからこそインシデントとは常に隣り合わせですし、気付くのが遅かった場合にはアクシデントになってしまいます。
インシデントを経験すると看護師は大きなショックを受け、自信を失って自分の看護師としての能力にも疑問を抱いてしまい、看護職を辞める原因に繋がってしまう事もあるのです。
インシデントを起こした時には・・・
インシデントの大小に関わらず、すぐに医師と上司に報告。事実を隠蔽するなどもってのほかです。また、インシデントの起きた状況や理由・原因・反省点・今後の解決策などを書いたインシデントレポートを提出します。提出されたレポートを教訓とし次の大きなアクシデントにつなげないために「どうしたら良かったのか?」「自分ならどうするか」など看護師全員が考え、再発防止の為にレポートを活かすのが大切です。
インシデントが続く職場では大きなアクシデントが起きやすいと言われています。インシデントに対する職場の意識が大切です。
インシデントが起きやすい要因
特に新人看護師の場合は医療知識・技術不足によって看護業務や多種の業務に対処ができないこと、看護師同士のコミュニケーションが取れないために指示が伝わらないことなどが挙げられます。また、人手不足にために休憩も取れないような過酷な勤務環境で集中力が欠如し注意力が散漫になってしまっていることなども挙げられます。
インシデントを防ぐためには
医療に関する知識を高める
医療知識が豊富であればあるほど不自然な投薬や間違った分量などにも気付きやすくなります。
口頭確認・指差し確認などの徹底
声を出しながら確認したり、ダブルチェックを行うなど確認方法を徹底します。ルーティンな仕事になっていると無意識のうちに思い込んでしまう事があります。口で言うことにより意識が明確になりますし、他のスタッフに気付いてもらえることもあります。指差し確認も意識を集中させる効果があります。
自分自身の疲労に注意する
睡眠不足や疲労が蓄積すると集中力が低下しミスを起こしやすくなります。疲労を感じたら少しでも休息を取るように心がけましょう。
転職の際の面接でもインシデントについては質問される事が多いようです。面接者はインシデントの有無を聞いているのではなく、看護師としてインシデントの原因・予防・改善策までを明確に意識しているか、失敗からどのように学び、職務にどういかすのかを見極めようとしているのです。
インシデントを防ぐ一番のポイントは、起きてしまったインシデントと真摯に向き合って、自分の意識を日々高めていくことだといえるでしょう。