クリニックに勤務する看護師の仕事内容は? 給料はどのくらい?
看護師が活躍できる職場のひとつ、クリニック。多くの患者が来院したり入院している総合病院と比べてのんびり仕事ができそうというイメージがありますが実際はどうなのでしょうか?
そこで今回は、クリニック勤務の看護師の仕事内容や給料ついてご紹介します。ベッド数の多い総合病院勤務の看護師と何が違うのでしょうか? また、気になる福利厚生についてもご紹介します。クリニックへの転職を考えている看護師の方はぜひこの記事を参考にしてみてください。
- クリニックとは?
- クリニック勤務の看護師に求められるスキルは?
- クリニック勤務のメリットとデメリットは?
- クリニックに転職する際の注意点は?
1.クリニックとは?
クリニックとは入院施設がないか、ベッド数が19床以下の医療機関を指します。いわゆる「町のお医者さん」も、クリニックにあたるのですね。また自由診療の「美容外科」もクリニックが多いでしょう。クリニックはひとり~数人の医師と、同じく数名の看護師で診療している所がほとんどです。
また、入院施設がない病院では夜勤も当然ありません。多くの来院患者や入院患者がいる総合病院と比べるとゆったりと仕事をしているというイメージがあり、「クリニックに転職したい」という看護師も少なくないです。
2.クリニック勤務の看護師に求められるスキルは?
では、クリニック勤務の看護師に求められるスキルとはどのようなものでしょうか? この項ではそれをご紹介します。
2-1.高い医療スキル
クリニックは総合病院に比べて医師も看護師も少人数で患者を診ています。ですから血圧測定や点滴、注射など看護師ができる医療行為はすべて行わなくてはならないクリニックも多いです。「私は注射が不得意なのでできません」というわけにはいきません。また、入った瞬間から即戦力として扱われることがほとんどなので、新卒でクリニックに勤務すると苦労することもあります。
2-2.コミュニケーションスキル
クリニック勤務の看護師は医師の補佐だけではありません。時には受付をすることもあるでしょうし、電話対応が勤務内容に含まれているクリニックもあります。
また、医師の指示を受けて患者の指導をすることもあるのです。さらに、一般の病院よりも勤務している看護師が少ないですから、人間関係も濃厚になりやすいでしょう。ですから高いコミュニケーション能力が必要です。
2-3.臨機応変な態度
クリニック勤務をしていると、本来なら看護師の仕事ではないこともしなくてはならないことも多いです。そんな時に「これは看護師の仕事ではないのでできません」という態度では、クリニックで働いてくのは難しいでしょう。備品管理や掃除、医療器具の洗浄などできることは何でもやる、という態度で勤務に臨んでください。
3.クリニック勤務のメリットとデメリットは?
クリニック勤務のメリットやデメリットとはどんな所でしょうか? この項ではその一部をご紹介します。
3-1.クリニック勤務のメリットは?
クリニック勤務のメリットは、夜勤がなく休憩時間が長いところが多いというところをあげる看護師が多いです。看護師として働きたいけれど事情があって夜勤は無理、という人にとってはクリニック勤務はぴったりでしょう。
また、クリニックは長いところでは昼休みが数時間というところも多いです。その時間を利用して子供の送迎や夕飯の支度をするママさん看護師もいます。その他にはアットホームな職場が多いので人間関係がうまくいっていれば、急に休みたいときなど調整してくれる所も少なくありません。さらに、どうしても勤めたい科がある場合、単科が多いクリニックの方が専門的な看護を学べるケースもあります。
3-2.クリニックのデメリットは?
しかし、メリットもあればデメリットもあります。クリニック勤務のデメリットとして、やはり人間関係をあげる看護師が多いです。少人数で運営している所が多いクリニックは、高いチームワークが求められます。ですから職員の輪に入れないと勤務しづらいです。
また、美容外科クリニックのような自由診療のところは、患者へ看護師というよりサービス業のような接し方を求められるところもあります。さらに、福利厚生や給料も総合病院に比べてよいとは言いにくいです。
クリニックの多くが医師個人が運営している個人事業。ですから健康保険は各都道府県の医師会が運営している医師国保、年金は国民年金の所が多いでしょう。そのうえ、経営状態が厳しければ当然給料も期待できません。定期的な昇給もないという所がほとんどです。
勤務する際にしっかりと確認しておかないと「こんなはずでは」と思うこともあるかもしれません。そのうえクリニックは総合病院に比べてのんびり仕事ができるというイメージがありますが、実際はそうでもないのです。
たとえば、耳鼻咽喉科は花粉症の時期には大変混み合います。たとえ受付時間が終わっても最後の患者が帰るまで診療は続きますから、当然残業になるでしょう。クリニック勤務だからといって必ず定時に帰れるわけでもありません。
4.クリニックに転職する際の注意点は?
では最後にクリニックに転職をする際の注意点をご紹介します。転職してから後悔しないためには、どんな点に気をつければよいのでしょうか?
4-1.待遇や仕事内容をしっかりと把握する
クリニックは場所によって仕事内容が全く異なります。ですからAクリニックの看護師への待遇が良かったからといって、BクリニックもCクリニックも同じだとは限りません。クリニックの募集要項をよく読んで、仕事内容や福利厚生を把握しておきましょう。わからないことがあったら、面接などで尋ねても構いません。入ってから「こんなはずではなかった」と後悔しても遅いです。
4-2.クリニック勤務は楽ではないと心に留めておく
「ベッド数が多い総合病院よりも勤務が楽そうだから」という理由でクリニックに転職すると、後で後悔する可能性が高いです。前述したようにクリニック勤務は総合病院勤務とはまた違った大変さがあります。人によっては総合病院勤務の方が気が楽だったというケースもあるでしょう。
インターネットを検索すれば、この記事以外にもクリニック勤務の大変さを教えてくれる記事が見つかります。これらを読んで、クリニック勤務の内容をよく把握してから転職活動を始めても遅くありません。
4-3.看護師専門の転職サイトを利用しよう
クリニックの求人はハローワークや一般的な求人誌や求人サイトで募集されることもありますが、看護師専門の転職サイトで募集をかけられることが圧倒的に多いです。
また、看護師専門の転職サイトは「キャリアコンサルタント」と呼ばれる看護師とクリニックとの橋渡しをしてくれる職員がいます。ですからハローワークなどを利用して転職活動を行うよりも、ずっと早く有意義に転職活動を行えるでしょう。看護師専門の転職サイトは看護師であれば無料で登録できます。転職を考えている看護師の方はぜひ利用してみてください。
おわりに
今回はクリニック勤務の看護師の仕事内容やメリット、デメリットをご紹介しました。
まとめると
- クリニック勤務は総合病院勤務と比べて楽なわけではない
- メリット、デメリットをしっかり把握したうえで転職活動を行おう
- 看護師専門の転職サイトを利用してみよう
ということです。看護師の仕事はやりがいがありますが、その分肉体的にも精神的にも大変なことが多いでしょう。仕事で疲れていると、つい転職が頭によぎることも多いと思います。しかし、看護師の仕事はどんな形であれ、楽ということはありません。そこをしっかりと理解して転職活動を行ってください。