フィードバック看護

【重要】看護現場のフィードバックとは? 看護におけるフィードバックの重要性

元看護師のゆかり

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フィードバックとは、物事の成果を見て改善方法を考えたり、良い点をさらに伸ばしたりすることです。

看護においてフィードバックはとても大切なので、看護師は、学生時代からフィードバックの重要性を教えられています。その反面、「フィードバックを意識して看護を行うように意識しているが、なかなかうまくいかない」と悩んでいる人もいるでしょう。しかし、フィードバックをうまく行わないと、改善点がいつまでたっても自覚できないし改善できないということもあります。

今回は、看護におけるフィードバックの重要性や実践方法を解説しましょう。

  1. フィードバックについて
  2. フィードバックと看護について
  3. フィードバックの方法とは?
  4. 看護とフィードバックに関するQ&A

この記事を読めば、フィードバックをうまく行うコツも分かります。フィードバックの実践方法に悩んでいる人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.フィードバックについて

1-1.フィードバックとは?

1-1-1.本来の意味

フィードバックという言葉はもともと制御工学の分野で使われていたもので、「出力したものを入力側に戻し、出力の増大・減少(制御)を行うこと」という意味合いの言葉でした。これが転じて「物事の結果や反応を見て改良・調整を行うこと」という意味で使われるようになりました。

1-1-2.ポジティブとネガティブ

フィードバックの行い方にはポジティブとネガティブがあります。ポジティブフィードバックは、成長した点や望ましい行動など、ポジティブな部分を評価する仕組みです。ネガティブフィードバックは、その反対に失敗の原因や不足している部分など、ネガティブな点を改善する仕組みとなります。

1-2.フィードバックの目的とメリット

ネガティブフィードバックを行うことで同じ失敗を繰り返さないようにすることができます。また、ポジティブフィードバックを行うことで評価対象者のモチベーションを高め、チーム力の向上による業務効率などを高めることができるでしょう。さらに、人材の育成速度を上げる効果も期待できます。組織の運営において、フィードバックはとても大切な作業です。

2.フィードバックと看護について

2-1.看護師におけるフィードバックとは?

医師や看護師という仕事は患者の命を預かる職業です。それだけに、最も「正しいこと」が求められる分野といっても過言ではありません。また、看護師は手術・診療の補助や患者の世話など、医師や看護師同士のチームで行う仕事です。円滑に仕事を行うためにも、看護師にとってフィードバックは非常に大切な作業といえるでしょう。

2-2.看護師におけるフィードバックの重要性

看護師の仕事は一歩間違えれば患者の死につながるような作業ばかりです。たとえば、注射などは何年かに1回は薬の投与量を間違えるなどして重大な医療事故が発生しています。直近の事故でいえば、今年の9月に水戸済生会総合病院で死亡事故が起きました。この事故は医師と看護師の間のささいな伝達ミスにより、看護師が標準使用量の2.5~5倍ものモルヒネを患者に投与したことが原因です。このような事故を二度と起こさないためにも、看護師にとってフィードバックはとても重要といえます。

3.フィードバックの方法とは?

3-1.フィードバックを出す際のポイント

まず、一番重要なことはポジティブフィードバックとネガティブフィードバックをうまく併用するということです。片方だけではフィードバックの効果は最大限に発揮されません。なぜなら、ポジティブな面だけをほめていても、悪い点が改善されなければいつか重大な事故につながる可能性があるからです。また、逆にネガティブな面だけを指摘していては、評価対象者のモチベーションなどが低下して業務効率や職場環境の悪化につながるでしょう。
ポジティブフィードバックを行う上でのポイントは「具体的に評価の対象となる言動を挙げること」となります。漠然とした評価はわかりづらく今後に生かせないだけでなく、評価されたことを実感しにくくなってしまうからです。「今日はいつもより良かったね」などと漠然とほめるのではなく、必ず何がどう良かったのかをしっかりと伝えましょう。
ネガティブフィードバックで重要なのは「具体的に指摘すること」と「人格の否定をしないこと」となります。「だからお前はダメなんだ」「育ちが知れるな」などのように、人格の否定は具体性に欠けてフィードバックになりません。そればかりか、モチベーションや積極性の低下にもつながり、パワハラなどで訴えられるリスクなども考えられ、デメリットばかりです。失敗は否定しても、人格を否定しないように気を付けましょう。

3-2.フィードバックを受ける際のポイント

フィードバックを出すがわの人間だけでなく、受け手(評価対象者)にも気を付けておきたいポイントがあります。フィードバックを受けた際には、あくまでも指摘を受けた点がほめられている・否定されているのだということを忘れてはいけません。「言動などをほめられた・否定された」という事実を「自分がほめられた・否定された」と受け止めてしまうことはやめましょう。評価の主部分はあくまでも指摘箇所であり、評価対象者の人格そのものではありません。フィードバックを正しく受け止めるためにも、フィードバックを受けた際には第三者の視点から受け止めることが重要です。

4.看護とフィードバックに関するQ&A

Q.ほめたり叱ったりするのと何が違うの?
A.フィードバックは目的ではなく手段です。ほめたり叱ったりすることそのものが目的ではなく、ほめたり叱ったりすることによって今後の仕事をよりよくするために行います。

Q.フィードバックは本当に効果があるのですか?
A.確実にあります。良い部分と悪い部分、あるいは良い例や悪い例を把握しやすくなりますから作業を失敗しにくくなったり成功しやすくなったりするでしょう。特に、ミスの許されない医療従事者にとっては必ず取り組むべき作業です。

Q.フィードバックは誰が出すべきでしょうか?
A.誰でも気兼ねなく出せるような仕組みを作ることが一番重要です。それが難しい場合は、やはり目上の人間や経験のある人間が出すのが良いでしょう。

Q.フィードバックを生かすためのコツはありますか?
A.フィードバックを受けてもそれを周りが共有できなければ意味がありません。また、共有できてもすぐに忘れてしまうようではダメですよね。ですから、どのようなフィードバックがなされたのか、記録することが重要となります。日誌などのような形でも構いませんので、しっかりと記録をしておきましょう。

Q.キャリアアップに役立ちますか?
A.フィードバックを受けることも出すことも、どちらも知識や経験を高める上で大切なことです。キャリアアップのために必要なことを学ぶ機会も多いでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 今回は看護におけるフィードバックの重要性などについてご紹介しました。フィードバックとは、同じ失敗を繰り返さないように、あるいは同じ成功を続けるために、原因や結果を今後に生かしていくことをいいます。看護の世界では一つのミスが人の命を奪うこともありますから、フィードバックを行うことはとても大切です。また、仕事の効率性やモチベーションといった点でも重要となるでしょう。今回ご紹介した情報を参考にして、フィードバックにしっかりと取り組んでくださいね。

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