看護レポートの書き方に悩む方必見!作成のコツと注意点を解説
看護師が就職・転職したり研修などを受けたりするときにレポートを書く機会があります。
そのときの状況によって、レポートに書く内容やテーマは異なりますが、「看護観」について記載することがほとんどです。しかし、看護観とは一体どういうことなのか分からないという方が多いでしょう。特に、転職や就職を機に初めて「看護観」についてレポートを書くという方にとっては、何から始めれば良いのかさえ分かりませんよね。
そこで本記事では、転職先・就職先へ提出する看護師のレポートの書き方や構成・ポイントについて解説します。
- 看護レポートとは?
- 看護レポートの構成は?
- 看護レポートの書き方とポイントは?
- 看護レポートに関するよくある質問
この記事を読むことで、看護のレポートの書き方とポイントが分かります。悩んでいる方や気になっている方は、ぜひチェックしてください。
1.看護レポートとは?
まずは、看護レポートの内容をチェックしておきましょう。
1-1.レポートを書く機会はどんなとき?
看護師にとって「レポート」は無縁なものと思われがちですが、実は書かなければならない機会が多いのです。看護学校の授業でレポートを書いたことがあるのではないでしょうか。ほかにも、就職後の教育プログラムや就職・転職の面接時など、レポートを書く機会がたくさんあります。
1-2.どんなレポートを書けばいいの?
レポートとは、「課題について調べたものを文章化し、提出するもの」を指しています。レポートに求められるのは、「言いたいことが明確」「内容と事実が正確」「文章が分かりやすいこと」です。看護のレポートでは、「自分の看護観」を記載することになるのでポイントを踏まえながら文章を作成することになります。
最初は、頭の中に思ったことをそのまま文章にするのが難しく感じるでしょう。まずは、あなたが看護師を目指した動機・きっかけ、目標を思い返してみると良いですよ。
1-3.レポートの重要性を知ろう!
看護師としての仕事に日々追われていたりすると、自分が看護師という職業に対してどんな考えや思いを抱いているのか振り返る機会がなかなかありません。
看護観に関するレポートを書くことで、自分自身と向き合い、「看護師としての在り方」を改めて考え直してみることができます。文章にすれば、自分がどのように考えていたのか、新たな一面を知ることもできるでしょう。自分自身を振り返ることで、働きたい職場に対する思いも明確になるものです。
また、看護師の仕事をスタートした後でも、大きな壁が見えてくることもあるでしょう。たとえば、「新しい職場でスキルアップしたい」など転職を考える際に、自分の看護観についてレポートを作成し振り返ることで、突破口が見えてくることもあります。
2.看護レポートの構成は?
レポートを作成する前に、看護レポートの大まかな構成を知ることが大切です。ここでは、レポート構成の仕方とポイントを解説します。
2-1.構成の仕方
「レポートの構成は難しい」と思われがちですが、4つの段階に分けて構成を練ると簡単に作成できます。4つの段階は、「簡易的な看護観」「経験・事例」「具体的な看護観」「今後の試み」です。
500文字以上のレポートを提出する際は、この4つの段階ごとに分けて考えると良いでしょう。では、それぞれの項目について詳しく解説します。
2-1-1.簡易的な看護観
レポートの最初に、自分の看護観を簡単に説明することが大切です。端的に述べることで、読み手の側に分かりやすい内容になります。経験・事例を最初に述べることも可能ですが、「自分の看護観はこういうもの」を冒頭に提示することで読みやすくなるのでおすすめです。
2-1-2.経験・事例
簡潔に自分の看護観について述べた後は、実際に経験したことについて書きましょう。看護観の補足的内容を、自身の経験をもとに書くような感じです。たとえば、前段階で示した看護観に沿って、「なぜそうしようと思うようになったのか」などを経験を踏まえて補足します。経験が少ない場合は、1人の患者にしぼった事例を述べると良いでしょう。ここでの経験・事例が、次の「具体的な看護観」へつながる大切な部分です。
2-1-3.具体的な看護観
最初に記載した「簡易的な看護観」をより深く掘り下げた段階です。たとえば、「各患者のその日の体調・天候なども配慮した看護を行う」など、提示した看護観の中身を具体的に書きます。具体的に説明することで、読み手を納得させられることができるでしょう。
2-1-4.今後の試み
この段階では、今まで提示した看護観に基づいて、自分が今後どのような看護をしたいのか記述します。いわゆる、今後の姿勢や目標などですね。ほかの人ができるような看護ではなく、あなたらしさを生かした看護を行うことに目を向けてください。看護のレポートは、「その人らしさ」を出すことが大切なポイントでもあります。
2-2.構成のポイント
レポートの構成でよくあるのが、ダラダラと自分の看護について書くことです。同じことをくり返し書いてしまうと、読み手にも意図が伝わりません。結局、「この人は何を伝えたいのか分からない」という状態になってしまうのです。そのため、構成を作るときは以下の要素に注目してください。
- 自分の気持ちを明確にする
- 自分本位にならない
- 一貫した内容で書く(矛盾のない文章)
以上のポイントを踏まえて書くだけでも、立派な文章に仕上がります。特に、この中でも最も大切なのが「自分の気持ちを明確にすること」です。なぜ患者を支援したいのか、どのように患者を支援したいのか明確にしてください。「何を」「誰に」「どのようにしたいか」「どのような効果があるのか」「なぜそうしようと思ったのか」の5点を述べると、自分の看護観を正確に伝えることができます。箇条書きにしておくと、文章が作りやすくなるでしょう。
3.看護レポートの書き方とポイントは?
それでは、構成を踏まえた上で看護レポートの書き方とポイントをチェックしていきましょう。
3-1.書き方の基本
看護レポートを作成する際に押さえておきたい基本的な要素をいくつかピックアップしました。
3-1-1.文体の統一
基本的なレポートは、「~です、~ます調」ではなく、「~である、~だ」という文体となります。レポートを書くにあたって文体はとても重要なものです。「~である」という断定的な文体は、読み手へきちんと自分の主張を伝えることができます。文体が一貫するように気をつけて書いてください。
3-1-2.常に読み手を意識する
自分の看護観を読み手へ主張することが大切なので、常に読んでもらう相手を意識して書かなければなりません。誰に読んでもらいたいのかを意識しながら作成してください。読み手に自らの考えを伝えることができないレポートは意味がありません。自分の主張が分からなくなった場合は、1度手を止めて、声に出して読んでみると良いでしょう。
3-1-3.基本的なルールに従う
レポートを作成する際は、レポートのテーマ・文字数・書体などのルールに従うことになります。レポートは、決して自由気ままに書いて良いわけではありません。ルールから外れたレポートは、非常に読みづらいものになってしまいます。
3-1-4.読み手が分かりやすい内容
レポート=難しい言葉を使わなければならない、と思い込んでいませんか? 身構えて書いてしまいがちですが、誰が読んでも分かりやすい内容にするのがレポートの基本です。読み手を意識しつつも、どうすれば分かりやすく伝わるのか考えてみてください。難しい言葉を使えばOKというわけではありません。読み返して分かりにくいところがあれば、分かりやすい内容に書き換えると良いでしょう。
3-1-5.最後まで矛盾のない流れ
看護のレポートは、最初に自分の看護観について簡単に説明する内容を記載します。その後に、自身の経験を踏まえながら具体的な看護観を書きますが、最初と最後の看護観に矛盾ができるのは良くないレポートの書き方です。最後まで考えが一貫した内容で記述するのが、レポートの基本的な書き方となります。
3-2.ポイントは?
いきなり文章にするのは困難だと思うので、まずは段階ごとに箇条書きで「述べたいこと」をメモしてください。そのメモを見ながらレポートを書けば、矛盾が生まれずに一貫した文章が作成できます。
また、途中で見返すことで自分が何を主張したいのかブレずに済むでしょう。一貫した内容で書くことが大切ですが、「自分本位にならないこと」も重要です。自分が「こうしたい」と思っても、患者にとって迷惑なことは自己満足に過ぎません。自分だけを軸とした看護観は良くないので、必ず患者のことを優先した内容にするのがポイントです。
3-3.注意点
「看護師はこうあるべき」という考えは、人それぞれ異なります。たとえ、周囲とは異なる看護観であっても、患者のために考えた内容であれば自分らしさを主張しても構いません。客観的な考えで書く方がいますが、看護観は「自分にとって看護とは何か」です。「看護師はこうあるべき」ではなく、患者のためを思った内容にまとめましょう。
4.看護レポートに関するよくある質問
看護のレポートに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.軸となる看護観はどういうもの?
A.あなたがなぜ看護師の道を歩んでいるのか、もしくは歩もうとしているのかが看護観の軸となります。まずは、以下の項目に回答してみてください。
- どんな看護師になりたいのか
- なぜ看護師になろうと思ったのか
- 患者に対してどのような気持ちがあり、援助がしたいのか
以上の項目を先に明確にすることで、軸となる看護観が見えてきます。あらかじめ看護観を明確にしておけば、一貫した内容のレポートを作成できるでしょう。
Q.看護観を固めるためのポイントは?
A.自分の看護観を明確にするために、看護師への気持ちが芽生えた出来事を振り返ることも大切です。たとえば、以下のような出来事があれば、振り返ってみましょう。
- 実際に看護師として働いたときの実感と理想とのギャップ
- 人間の生死に触れる瞬間
- 患者家族の苦悩と絶望
- 患者の支援に貢献できた、できなかった例
- 同じ看護師の行動を見て感じたこと
Q.経験・事例の書き方のコツが知りたい
A.看護師としての勤務経験がある方は、今まで印象に残った出来事を振り返ってみてください。たとえば、「患者の気持ちに添った看護を行うこと」という看護観を抱くようになったきっかけを書いてもよいでしょう。きっかけが患者との会話の中にあるなら、そのときの経験談をまとめてみてください。
Q.200~400文字の短文を作成する際のポイントは?
A.比較的短めのレポートを作成する際は、経験・事例の部分を端的にまとめることが重要です。500文字以上なら経験・事例の文脈から意図が読み取れますが、200文字の場合は疑問が残ってしまうことがあります。できるだけ、端的に読み手へ正確に伝えられる文章が大切です。たとえば、「患者に寄り添うこと」が看護観の場合は、「寄り添うこと」がどのような意味を持つのか具体的に説明するだけでレポートが作成できます。
Q.看護レポートの作成について相談したい……
A.直接、看護師の先輩に尋ねると良いですが、周囲に相談できる人がいないケースがあるでしょう。そんなときは、看護師転職サイトのサービスを利用してください。特に、就職・転職時にレポートを書かなければならない場合は、看護師転職サイトのスタッフがサポートしてくれます。「看護師キャリアアップ」では、登録から転職まですべてのサポートが無料です。もちろん、面接時のレポート作成に関しても相談を受けつけているので、ぜひ1度ご相談ください。
看護レポートの書き方まとめ
看護のレポートは、就職や転職時に必要な場合があります。このレポートは、自分の看護観や患者支援について記述することが求められます。自分の考えを主張すると同時に、患者の助けになる内容をレポートに盛り込むことが重要です。
レポートを作成する際には、以下のポイントに注意してください。
- どのような看護をしたいのか、どのような看護師になりたいのかを明確に述べること。
- 患者をどのように支援したいのか、どのような看護を提供することで患者に貢献できるのかを考えて記述すること。
- 自分の看護観や経験を具体的な事例やエピソードを交えて説明すること。
- より良い看護を提供するために、今後どのようなスキルや知識を身につけたいのか、目標や計画を記述すること。
これらのポイントを押さえて、自分の看護観や患者支援について明確に表現することが大切です。
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