PNS看護とはどんなもの? 主な内容やメリットを詳しく教えます!
今、PNS看護を取り入れる医療施設が増えています。質の高い看護を提供しつつ、看護師の負担を少なくするために研究された結果、生まれた方法です。PNS看護は、パートナーと共に看護を進めていく方法で、多くのメリットがあります。しかし、実際にどんな内容なのか・どんなメリットがあるのかよく知らないことも多いことでしょう。そこで、今回は、PNS看護について詳しく解説します。
- PNS看護について
- PNS看護の効果について
- PNS看護の方法
- PNS看護に関するよくある質問
この記事を読むことで、PNS看護について詳しく分かります。まずは、記事をじっくり読んでみてください。
1.PNS看護について
最初に、PNS看護の基本を解説します。
1-1.PNS看護とは?
PNS看護とは、パートナーシップ・ナーシング・システムの略で、看護師が2人1組で患者を受け持つ看護方式のことです。2人の看護師がお互いに情報共有や協力をすることで、質の高い看護を提供することを目的としています。PNS看護では、パートナーは公の場で選出されることも特徴のひとつです。
1-2.PNS看護の構成について
PNS看護の構成は、以下を参考にしてください。個人・パートナー・所属グループ・セクションの4つがかかわって看護することになります。
- 個人でできることは個人で解決する
- 個人でできないときは基本的にパートナーがサポートする
- パートナーができないときは、所属するグループがサポートする
- 所属するグループでできないときは、セクション全体がサポートする
PNS看護では、個人で完結するのではなく、パートナーや所属グループ・組織がサポートする体制が作られています。
1-3.PNS看護のメリット・デメリット
PNS看護の主なメリット・デメリットは、以下を参考にしてください。
メリット
- 看護の効率が上がる
- 2人が対等の仕事をすることができる
- 休憩時間を確保できる
- チェック機能が働いて医療ミスを防げる
デメリット
- 合わない相手だと精神的につらい
- 患者の受け持ち数が倍増する
- 職場の上下関係が影響しやすい
2.PNS看護の効果について
PNS看護の効果など、詳しく解説します。
2-1.PNS看護の最近の傾向や現状
PNS看護は、多くの病院で採用が進む一方で、従来のやり方に慣れている看護師や医師などから戸惑いの声が聞かれるのも事実です。導入直後は、現場も混乱しがちで、PNS看護のよさが実感できないこともあるでしょう。しかし、慣れてくると看護の効率が上がり、今まで手が回らなかったところも回るなどの余裕が出るようになります。ほかの病院におけるPNS看護の成功例を見て、次々に導入する・検討する病院が増えているのが現状です。
2-2.PNS看護の効果について
PNS看護の主な効果には、以下のようなものがあります。
- 患者や看護に関する情報共有が進む
- 業務の効率化により患者への対応が迅速化できる
- 看護技術の伝承につながる
- 看護師のワークライフバランスを実現しやすくなる
2-3.パートナーに依存しないことが大切
PNSでは、パートナーと一緒に看護に当たることになるとはいえ、依存してはいけません。特に、新人看護師は、ベテラン看護師とペアを組むことで安心し、すべてを任せたくなってしまうものです。しかし、自分でできることは自分で行ってきちんと責任を果たすことが基本となります。PNS看護は、よりよい看護を進めるためのものであり、責任逃れのためのシステムではないことを自覚しましょう。
3.PNS看護の方法
PNS看護の方法について詳しく解説します。
3-1.パートナーの決め方
PNS看護を進めるときは、パートナーの決め方が重要です。以下のポイントを参考に、ベストパートナーを選びましょう。
- 仲がいいという理由だけで決めない
- 互いのウィークポイントを補えるか
- 経験年数やスキルが異なる組み合わせが望ましい(ベテランと新人など)
なお、PNS看護でのパートナー決めは、公平・公正さを保つためにオープンな場で行われます。
3-2.業務の進め方や実施方法
PNS看護における業務の進め方や実施方法は、以下を参考にしてください。
- 申し送りにて患者の病状・個人情報・看護方針などを2人で共有する
- パートナーと協力して実際の看護を進める
- カンファレンスがあるときは2人のうち1人が参加する
- 再び申し送りにて看護記録の報告・改善が必要な点の提案などをする
3-3.うまくいくポイントは?
PNS看護では、看護師同士が相手を尊重・尊敬できるかどうかにカギがあります。自分のことばかり考えて動いていたのでは、PNS看護のメリットがなくなってしまうでしょう。また、看護の方法や不安点などを率直に話し合えることも大切です。相手に対するもやもやな気持ちを残したままにしては、チームワークが崩れてうまくいかないので注意しましょう。
4.PNS看護に関するよくある質問
最後に、PNS看護に関するよくある質問に回答します。それぞれ確認し、参考にしてください。
Q.PNS看護のダメなパターンは?
A.以下のようなパターンに陥ると、PNS看護のよさを生かすことができません。
- プライベートなことを仕事に持ち込む
- 積極的にコミュニケーションを取らない
- 情報共有をせずに看護を進める
- 自分や相手の悪い点や不安に感じる点を指摘しない
Q.途中でパートナーの交代をすることはありますか?
A.基本的にはありません。しかし、反(そ)りが合わないことで看護の質が下がるなど、業務に大きな支障が出る場合は、交代する可能性もあります。また、妊娠・出産などでパートナーが仕事を休む・辞めるなどのときも、再びパートナー選びをすることになるでしょう。
Q.プリセプター看護との違いは?
A.プリセプター看護も2人1組で看護に当たる方法となります。しかし、プリセプター看護は新人ナースの教育が主な目的であるため、看護師同士が対等な関係となるPNS看護とは異なるのです。新人ナースにとってはプリセプター看護のほうが安心な一方で、ベテランナースの負担が大きくなるというデメリットもあります。
Q.PNS看護でミスが起きたときの責任の所在は?
A.何らかのミスが起きた場合、責任の所在は2人両方にあります。PNS看護では、パートナーとのチームでものごとを考えるからです。ミスの内容・原因・今後の防止策を2人で考え、報告・実施してください。
Q.PNS看護のスキルを身につけると転職に有利ですか?
A.有利になることでしょう。今後、PNS看護を取り入れる病院はますます増えるはずです。特に、導入して間のない病院にとって、PNS看護の実務経験者はとても重宝します。転職活動で有利な条件となるだけでなく、自身のスキルアップのためにも役立つはずです。当看護師キャリアアップでも、PNS看護を導入済みの医療機関の求人をご用意していますのでお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、PNS看護について詳しく解説しました。PNS看護とは、パートナーと協力し、二人三脚で看護を進めていく方法です。患者の病状や看護状況などの情報を共有し、2人で実務に当たることで多くのメリットがあります。ただし、PNS看護の導入間もない職場では、慣れるまでが問題です。スムーズに業務が進むようになるころには、多くのメリットを実感できることでしょう。なお、PNS看護のスキルを身につければ、転職やキャリアアップにも有利になりますよ。