20~30代の「はしか患者」も増加中! 早めのチェックが大切!
はしか(麻しん)って子どもの病気だと思っていませんか? 実は、はしか(麻しん)の患者数は20〜30代が4割を占めているのです。 4月〜5月の流行期を迎えてさらに増える恐れがあるため早めの対策が大切です。
- はしか(麻しん)ってどんな病気?
- はしか(麻しん)の症状
- はしか(麻しん)増加の原因
- はしか(麻しん)の予防
1.はしか(麻しん)ってどんな病気?
はしか(麻しん)はウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で、感染経路は空気感染・飛沫感染・接触感染です。感染力が非常に強く、インフルエンザの6倍・風疹の2倍とも言われていて、免疫を持たない人が感染するとほぼ100%発症します。
ウイルスが主に体の免疫系の中心となるリンパ球などで増殖するため、重症化すると一時的な免疫不全とも言える状態になり、肺炎や脳炎といった重い合併症を起こし、死に至ることもあります。合併症の発症率は全体の30%ともいわれています。 また、麻痺など神経系に重い後遺症が残ることもあるのです。
2.はしか(麻しん)の症状
- 感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れる
- 3~4日程度、重い風邪のような症状がでる。(38度以上の高熱・せきや鼻水)
- 高熱が若干落ち着き、口の奥の方に白い水泡(コプリック斑)がでる。コプリック斑は麻疹に特徴的であるため、これを確認して麻疹と診断されることが多い。
- 再び高熱が出て、顔や首、胸や背中などに細かく赤い発しんがでる。
- 症状がでてから1週間程度で熱が下がり、発しんが黒くなってくる。(色素沈着後次第に回復)
3.はしか(麻しん)増加の原因
3-1.予防接種を受けていない/接種回数が守られていない
過去、はしか(麻しん)ワクチンの接種率が上昇し、はしか(麻しん)の患者数が減ったことにより、はしか(麻しん)ウイルスにさらされる機会が減少したために、幼少時にワクチンを1回だけ接種していた人達(当時の10代から20代)は、免疫が強化されずに、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まって来ていることが原因の一つと考えられています。 また、10代から20代の人たちの中には、今まで一度もはしか(麻しん)の予防接種を受けおらず、免疫がまったくない人もいます
3-2.海外感染の増加=海外渡航者による輸入はしか
今年初めにはフィリピンなどはしかの流行国に渡航した人が帰国後に発症するケースが目立ちました。感染性がある期間に航空機に搭乗していたと考えられる症例も複数報告されています。 フィリピンをはじめロシア・中国・インド・インドネシア・イタリアなどでも流行が報告されており、それらの地域ではしか(麻しん)ウイルスに感染するリスクは非常に高くなっています。
4.はしか(麻しん)の予防
ウイルス感染症の多くは一度発症すると有効な治療手段がない場合がほとんどです。 はしかに最も有効な予防手段がワクチンで、「麻しんワクチン」を接種すると約95%という高い確率で免疫がつきます。ただし、数%の割合で免疫がつかないことや、不十分なことがあるので、その場合ははしかが流行したときに感染する恐れがありますが、通常に比べて軽くすみ、発症すればほぼ一生の免疫を得ることができます。
麻しんワクチンは、1歳と5~6歳(小学校就学前の1年間)の2回の接種が法律で定められていて、原則として『MRワクチン』という、麻しんと風疹の混合ワクチンが用いられています。 大人でもはしかに感染したことがなかったりワクチンを接種していなければ免疫がありません。行動範囲が広い大人が感染源になると大流行を招く恐れがあることから、麻しんワクチンの接種は非常に大切です。
「ワクチン接種の記録がない」「はしかに感染したかどうかわからない」という場合は、抗体検査(血液検査)を行い、その結果に応じ、接種する必要がある人は早急に接種することが大切です。ただし、妊婦さんは接種できません。心配な場合は医師に相談して下さい。 (抗体検査・ワクチン接種 有料)
なお、ワクチンを接種しても抗体ができ免疫ができるまでに2~4週間位かかります。
ゴールデンウィークを海外で過ごす予定のある人はその地域のはしかの感染状況等を調べ、早めにワクチンを接種しましょう。
まとめ
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