熱中症救急搬送者がすでに3千人越えムシムシ・ジメジメ、暑さ指数が高い梅雨どきこそ熱中症対策を。
今年は6月上旬に全国各地で35℃を超える猛暑日が記録され、総務省消防庁の発表によると、統計を取り始めた5月19日以降、熱中症で救急搬送された人数は3188人にのぼるそうです。 (6月10日現在)
また、梅雨に入り雨の日が多くなっていますが、実は梅雨時は熱中症の患者が増加するのです。
梅雨時に増える熱中症
熱中症というと、真夏の炎天下で運動をした際に起こる真夏の病気と思われがちです。確かに熱中症は真夏の屋外で起こるケースが多いのですが、それ以外の状況でも発生する危険があります。特に湿度が高い梅雨時は、汗をかいても蒸発しにくいので、発汗によって体温を下げることができず、熱中症になってしまう人が多いのです。
また、体が暑さに慣れていない時期で、6月の真夏日は夏本番の真夏日よりも身体への負担が大きく、朝晩が涼しいので真夏に比べて暑さ対策をしていない事などから、気温の変化に対応しきれないのです。
一般的に30℃を超えると熱中症患者が増えると言われていますが、屋内でも風通しが悪く湿度が高くなれば、熱中症の発症リスクは高くなり、気温が26℃でも湿度が85%を超えれば、熱中症になる人が増えるそうです。
熱中症の症状と対処法
どのくらい症状が重いかという重症度により、Ⅰ度・Ⅱ度・Ⅲ度の3つに分類されます
熱中症の分類
- Ⅰ度 めまいやたちくらみを自覚する・筋肉痛やこむら返り(脚がつる)がある・拭いても拭いても汗がどんどん出てくる
- Ⅱ度 頭痛、悪心(吐き気)、嘔吐を認める・つかれやだるさといった全身倦怠感を自覚する
- Ⅲ度 意識障害を認める・けいれんが起こる・体温が高くなる
熱中症のおよそ60%はⅠ度、脱水が進み体温調節機構が破綻して体温が上昇するのはⅡ度以降、Ⅱ度以降は症状が重篤な状態です。体温が上がらないⅠ度の段階で対処することが大切です。しかもⅠ度からⅡ度、Ⅲ度にはあっという間に進行する場合もあるので、十分な注意が必要です。
対処法
- Ⅰ度 涼しい、風通しの良い場所に移す・安静にしてカラダを冷やす・水分、塩分、糖分を補給する
- Ⅱ度 Ⅰ度の対応を持続する・誰かが必ずそばで見守り、症状が改善しなければ病院へ。
- Ⅲ度 Ⅰ度、Ⅱ度の対応を継続する・すぐに救急車を呼び病院へ移す
水分補給のポイント
熱中症予防には、小まめな水分と塩分の補給が大切です。
- 喉が渇く前に飲む
喉が渇いてから飲むのではなく、喉の渇きを感じなくてもこまめに飲むようにしてください - がぶ飲みではなく少量をゆっくりと。
一度にたくさんの水分を摂ると体内に吸収されず排泄されてしまいます。また、過剰な水分が胃液を薄めてしまい、消化不良を起こしてしまうこともあるので、水分を摂るときは一気に喉に流し込むのではなく、ゆっくりと噛むように飲みましょう。 - 飲むべき量の目安
1日3回の食事の際に加え、朝起きた時・午前10時・午後3時・入浴前・寝る前にコップ一杯(約200ml)の水を飲めば、日常生活で1日に必要な水の量を補えると言われています。 必要な水分量は運動・仕事・体格等によっても変わってきます。 - 水だけでなく塩分(ナトリウム)も補給
水分を体内に取り入れるだけは塩分を補うことはできません。スポーツドリンクなどを飲むのがオススメです。 また、嘔吐・発熱を伴う脱水状態・過度の発汗による脱水状態等の症状には電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液などが良いでしょう。
自宅で作れるスポーツドリンク
(材料)
・水1.5リットル
・ハチミツ 大さじ4 (※砂糖でも可)
・塩 小さじ1
・レモン汁 大さじ2
(作り方)
水をペットボトル(2リットル用)に入れ、ハチミツを大さじ4・塩小さじ1・レモン汁大さじ2を直接入れて蓋をし、ひたすらシェイク。※砂糖・塩などはお好みで加減してください。
ヨーグルト風味のスポーツドリンク
(材料)
・プレーンヨーグルト 大さじ2
・スポーツドリンク 200cc
(作り方)
グラスにヨーグルトを入れ、スポーツドリンクで割る。