糖尿病療養指導士

糖尿病療養指導士

糖尿病臨床における生活指導のエキスパート

糖尿病療養指導士とは、糖尿病治療全般に関し高度で幅広い専門知識を持ち、医師の指示のもとで患者に生活指導を行うことのできる医療スタッフとして、日本糖尿病療養指導士認定機構(日本糖尿病学会・日本糖尿病教育・看護学会・日本病態栄養学会が母体)2001年から認定を実施している資格です。

糖尿病療養指導士の受験資格

  1. 看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格を有していること
  2. 定められた条件を全て満たしている医療施設において、現在または過去10年以内に2年以上継続して「勤務しかつ糖尿病患者の療養指導業務に従事」した方で、かつこの間に通算1,000時間以上糖尿病患者の療養指導をおこなったこと
  3. 受験者が2.の「糖尿病療養指導業務に従事した期間」に当該施設で携わった糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること
  4. 本機構が開催する講習会を受講し、受講修了証を取得していること
引用元 -日本糖尿尿療養指導士認定機構

糖尿病療養指導士の仕事

日本糖尿病療養指導士は、糖尿病の患者さんとその家族に対し糖尿病に関する正確な知識や適切な食事・運動・生活習慣など治療に関するアドバイスを行い、患者さんが適切な自己管理を行える様にサポートする糖尿病治療のエキスパートで、看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士といった医療従事者がそれぞれの専門分野に加え、糖尿病療養に関する高い知識と経験を活かして糖尿病改善を行っています。全国で約18,000人以上が登録しており (2014年現在)、その中で看護師が約50%弱を占めています。

糖尿病の改善のためには、患者さんによる日々の自己管理が何より大切で、自己管理を長期にわたり継続していく事が必要ですが、患者さんやその家族だけで正しく継続していくのは容易なことではありません。糖尿病の悪化による合併症を防ぐためにも、患者さんの生活習慣や家族構成、時には人生観まで把握しながら、食生活・運動などできるだけストレスなく生活習慣を変えていく糖尿病臨床の専門家による指導やサポートが欠かせません。

主な活動内容

  • 医療機関の糖尿病の診療方針や闘病プログラムに基づき生活習慣の改善目標及び改善方法などの一括した指導・教育
  • 血糖測定及びコントロール管理
  • 運動療法
  • 合併症予防
  • インスリン注射
  • フットケア
  • 看護システムの立案及びカウンセリングなど

糖尿病療養指導士の活躍の場

医師の指導のもとで糖尿病療法の指導を行うので、病院やクリニックが主な職場で、最近では糖尿病専門の外来や生活習慣病に特化した病院もたくさんあります。また、高齢者の介護施設や福祉施設をはじめ、歯科医や調剤薬局などでも糖尿病に関する知識啓蒙の必要性が言われているので、有資格者の活躍の場は今後増えていくでしょう。

糖尿病療養指導士の将来性

日本の糖尿病患者数は年々増え続ける傾向にあり、総務省の調査によると、「糖尿病が疑われる人」の数は約950万人「糖尿病の可能性を否定できない人」は1,100万人で、成人男女の男性27.3%・女性21.8%が糖尿病かその予備軍との結果が出ており、糖尿病が疑われる人の中でも未治療や治療途中で中断している人の比率も多いのが現状です。(※平成24年「国民健康・栄養調査」・厚生労働省)
こうした点から、診療の現場はもとより、医療スタッフの教育・糖尿病予防対策・啓蒙活動なども含め、専門知識を持って総括的な指導ができる糖尿病療養指導士がますます必要となります。

特に最近では生活習慣病をはじめ、糖尿病治療に力を入れている病院が増えてきました。外来などでは日中の勤務が中心となりますが、カウンセリング的な要素も多く資料作成などの事務的な作業も増える様です。有資格者は病院等によっては数千円程度の資格手当てがつく場合もあるようです。

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