認定看護管理者
臨床現場における看護師の管理育成のスペシャリスト
認定看護管理者とは、保健医療福祉に貢献できる資質と看護の水準の維持向上を図りながら、多様な健康の維持や健康管理を必要とする個人、家族をはじめ地域住民に対して、質の高い看護サービスを創造的、組織的に発展させる能力を持っていると認められた人のことをいい、現在、全国で1,961名の登録があります。(2014年7月現在)
認定看護師管理者の受験資格
次の1~3の資格をすべて満たしていること。
引用元 -公益社団法人日本看護協会
- 日本国の看護師免許を有すること。
- 看護師の免許を取得後、実務経験が通算5年以上ある。
- 以下のいずれかの要件を満たしている。
- 認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している者。
- 看護系大学院において看護管理を専攻し修士号を取得している者で、修士課程修了後の実務経験が3年以上である者。
- 師長以上の職位での管理経験が3年以上ある者で、看護系大学院において看護管理を専攻し修士号を取得している者。
- 師長以上の職位での管理経験が3年以上ある者で、大学院において管理に関連する学問領域の修士号を取得している者。
管理職・昇進を目指す看護師のための有効資格『認定看護管理者』
看護師を一生の仕事として選び、年々キャリアを積んでいく中での一つの選択肢として、病院内における昇進・出世という道があります。
大学病院など大規模の病院になると、看護師だけでも数百人レベルの事も少なくなく、看護師を管理しまとめる立場の管理職が必要となります。
看護師の役職としては、10年程度の勤務経験を持つ『看護主任』、各病棟・部署における現場での責任を負い看護師のリーダー的な役割を担う『看護師長』・看護師のトップの地位である『総看護師長』などがあります。
(役職名については病院の形態によって近い、看護部がある場合は看護部長という名称が使われる事もあります。)
役職に就くには一定の経験とそれぞれの立場における責任・能力が必要とされます。
- 看護主任
看護師長の補佐的な役割。他の看護師から意見を集約して師長に伝えたり、病院の方針を伝達したり、看護師同士をつなぐ役割を果たします - 看護師長
各部署(病棟)のリーダー的な役割。各部署(病棟)とそこの看護師を管理する立場で、他部署(他病棟)との情報交換や意思疎通を図る事や各部署(病棟)の責任者として、患者及びその家族のケアなども行います。新人看護師の指導や実習生の受け入れなど現場での監督も行います。 - 総看護師長
病院の全看護師を束ねるトップ。多くの経験と資格を持った看護レベルの高い看護師が就く役職。看護師の人事・採用などをはじめ、看護方針や看護計画などの立案に携わる責任の重い仕事です。看護師の能力だけでなく、多くの人をまとめるマネジメント能力・コミュニケーション能力などが必要です。
医療が高度化し院内のチーム医療を円滑に進めていくためには、看護師の世界にも一般企業と同様に管理職制度があり、管理職(役職)に就くという事は、現場の看護経験や技術はもとより人間関係や管理職としての能力も重要です。
また、役職に就けば手当等も付き給与のアップも見込めますし、何より仕事にやりがいを感じられます。
管理職へのキャリアアップを目指すなら、自分の知識やスキルを再度見直し、管理能力関連の高度な知識や技術を習得する認定看護管理者の認定資格を持っていることにこしたことはありません。
認定看護管理者の年収は?
認定看護管理者の資格所有者は、看護師長以上の役職に就いているベテラン看護師が多く、相応の平均年収が700?800万円程度になるため、純粋に資格取得が給料アップにつながっているとは判断できません。
しかし、認定看護管理者として活動範囲が広がり、病院経営への参画等仕事の質もレベルも上がるので、給料が高くなる事も考えられます。
認定看護管理者の活動範囲
看護管理者として客観的な評価が得られたことで、病院内の人材育成・管理・職場の業務改善をはじめ病院経営などにも業務の幅は広がっていくでしょう。
また、所属する病院以外でも、地域における看護管理分野関連の研修会の講師、学会の役員・委員、市民等を対象とした講演、行政関連の審議会等の委員など、活動範囲を拡大していくことができます。
転職を成功させるための1POINTアドバイス
少子高齢化がすすみ、今後一層ヘルスケアへの関心は高くなり、行政・自治体レベルでの取り組みが急務となっていきます。このような状況で、認定看護管理者の目的やそれに伴う活動の場所はますます広がっていくことになるでしょう。病院での昇進や出世に有効な資格という以上に、看護師としての経験と知識が地域・社会の保健医療福祉に役立てられる将来性の高い資格といえます。